なるほど。歌舞伎は長年積み上げられた知恵の蓄積。
そう考えながら観劇すれば、もっと深く観られる気がしてきました。
ぜひ、いろいろなアンテナを広げながらご覧ください。
最後に、ちょっとだけ実践的な歌舞伎のハマり方をお話しますね。
ぜひ教えてください!
僕は、歌舞伎を観ながら気になったことは、全部メモを取るんです。「あの家紋はなんだったのかな?」など、些細なことでも引っかかったところは全部メモる。
メモですか?
はい。これでまず観劇後に、疑問点は調べられますよね。このメモを、次に観る時に読み返し、また更新し……を繰り返すと、自分の理解や知識の進化具合が把握できます。かつ僕は、ブロマイドも買います。1演目1枚でもいいし、お金が無ければ全興行中1枚でもよくて、自分が最も印象に残った場面の1枚を厳選して選ぶ。何枚も買うとブレるので、ここは心を鬼にして1枚に絞り込むのがコツです。更に、その裏にさっと日記のような感想を書いておく。そして、最後の仕上げは相関図。ここが重要でして、これがちゃんと書ければ、ストーリーが把握できています。
おお、すごい。観劇後に反芻することによって理解も深まり、知識も増えればさらに楽しくなりそう。細かいところまで観たくなりますし。
だって後で相関図を書かなきゃいけないから、必死で観るしかない(笑)。このノートを保存しておけば、数年後同じ演目が掛かった時は、自分で書いた相関図はあるし、何を考えたかも細かく記してあるし、写真もあって、裏を見ればざっくり感想が書いてある。最高の資料が手に入るわけです。歌舞伎は観劇中だけではなく、観劇後も重要です!