東京藝術大学 オルガンシリーズ2026のチケット情報
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オルガンのための音楽は、声楽曲を鍵盤へと移し替え、そこに装飾を加えて彩ってゆくIntavolierungという技から生まれた、とも言われます。与えられた旋律に、彩りを、華やぎを、そして新しい意味を付け足していく「変奏」です。しかし、変奏の楽しみは付け足すことばかりではなく、旋律を保ちながら装いを変えていくもの、低音を執拗に繰り返し、その上で世界を移ろわせていくものなど、ときに主題は、原形をとどめぬほどに姿を変えてゆくものにもあります。「Variatio delectat――変奏のよろこび」と題した今回は、そうした多彩な語り口を味わっていただくべく、プログラムを編みました。時代も土地も異なる作曲家たちが、そして現代を生きる作曲家もまた、ひとつの主題をいかに変えてゆくかという同じ問いに向き合っています。聞き慣れたはずの主題が、「はじめて見る貌(かお)」をあらわす瞬間にも、立ち会っていただけることでしょう。
本シリーズは開始以来、東京藝術大学内奏楽堂にて開催してまいりましたが、同ホールが今年2月より使用できない状況にあり、今回は聖グレゴリオの家 宗教音楽研究所を会場としてお借りして開催いたします。いつもとは異なる、親密で響きのよい空間で、素晴らしいアーレント・オルガンとともにお聴きいただけることとなりました。響きが変われば、同じ音楽もまた違った表情を見せるもの。いつもとは異なる場所での演奏会は、このシリーズそのものにとっての、ひとつの変奏となりましょう。
変わりゆくものと、変わらずにあるもの。そのあわいに生まれる新しさに、どうぞ耳を澄ませていただければ幸いです。ひとときの変奏の旅をぜひ聴きにいらしてください。
廣江理枝(東京藝術大学音楽学部器楽科オルガン専攻主任・教授)
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