石田菊香ピアノリサイタル~交響的詩の世界~のチケット情報

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石田菊香ピアノリサイタル~交響的詩の世界~

今回のプログラムのテーマは、シューマンの壮大な「交響的練習曲」を中心に、詩情豊かなピアニズムで交響的詩の世界を築く。前半は、ベートーヴェンとシューマンの対照的変奏曲・練習曲。ベートーヴェンは技巧的にも音楽的にも高度に結晶した独自の詩の世界を32の変奏曲で築く。対照的に壮大な拡がりをみせるシューマンでは、ロマン的ピアニズムと多彩なシンフォニーの響きで交響的詩の世界を展開する。後半はショパンとリストのノクターン・エチュードの名曲で、抒情詩をロマン的ピアニズムで歌う。「ノクターン遺作」「別れの曲」で悲哀と情熱を甘美に歌い、「愛の夢」「回想」でロマン・詩をピアニスティックに歌う。最もショパン的な極めてピアニスティックと言われる「木枯らし」を詩情豊かなピアニズムで奏でる。最もリスト的な名曲「ラ・カンパネラ」で希望の鐘高らかに交響的詩の世界の幕を閉じる。

冒頭のベートーヴェンの「自作の主題による32の変奏曲」は、わずか8小節の短い主題で32の変奏曲に形成され、50小節の最終変奏のコーダでクライマックスを築く。高度な技巧と音楽で独自の詩の世界を築き上げている。テクニックのあらゆる課題を網羅した練習曲の側面と情熱と寂寥が胸を打つ深遠な音楽の濃縮された詩の世界である。対照的に壮大な拡がりのシューマンの「交響的練習曲」は、初恋の女性への愛を想って生み出されたと言われる。変奏曲形式をとった練習曲で、多彩なピアノ技法と作曲手法で、シューマンのロマン的情熱を華麗に表現している。「交響的」とあるように、多彩な楽器の奏でる壮大なシンフォニーの響きを一台のビアノから十二分に引き出した大作である。12曲の練習曲でフィナーレはソナタ形式の大曲でロマンと交響的音色と響きを華麗に繰り広げる。後半は、ショパンの「ノクターンの遺作」で始まり、甘美に歌う。中間部の右手と左手のポリ・リズムという斬新な試みがなされ、コーダの上、下降のスケールも魅力的だ。「別れの曲」はショパン自身「このように美しい旋律は書いたことがない」と言われたように美しい詩情をたたえた名曲。諸国ポーランドに別れを告げる切々たる心情が歌われ、中間部には激情の叫びの現れるロマンティックな曲。「革命」は転調の多い情熱的な曲。「木枯らし」は最もショパン的な極めてピアニスティックな曲で、左手の情熱的な和音型の旋律に乗って右手が華やかなパッセージを奏でる。超絶技巧練習曲第9曲の「回想」は長大な抒情詩的な曲で、過去の思い出に浸るかのような穏やかな旋律が華麗なパッセージで飾られる。美しい夢を静かに回想する中に熱い激情のシーンも現れる。フライリヒラートの詩「愛しうる限り愛せ」が原曲の「愛の夢」第3番で愛を熱く歌う。リストの超絶技巧ぶりを存分に発揮したという名曲「ラ・カンパネラ」華々しく最後を飾る。

スマチケ

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