人間の存在をグロテスクなまでに直視し、衝撃的なドラマを表現している劇団。青年団に俳優として所属する松井周が自ら作・演出するユニット始動し、
2007年9月に劇団として独立した。
劇団名は「紛い物」「試作品」の意味。
人間という生き物を、従来的な人間性・内面性・感情から一度引き離し、根底から見つめ直しながら、仮説的に描いていく実験・実践を意図している。
松井は、処女作『通過』と二作目『ワールドプ…続きを読む
人間の存在をグロテスクなまでに直視し、衝撃的なドラマを表現している劇団。青年団に俳優として所属する松井周が自ら作・演出するユニット始動し、
2007年9月に劇団として独立した。
劇団名は「紛い物」「試作品」の意味。
人間という生き物を、従来的な人間性・内面性・感情から一度引き離し、根底から見つめ直しながら、仮説的に描いていく実験・実践を意図している。
松井は、処女作『通過』と二作目『ワールドプレミア』が連続して日本劇作家協会新人戯曲賞に入賞し、
以降も『地下室』『シフト』『カロリーの消費』などの問題作を連打、その鋭い感受性に貫かれている異才ぶりに期待が寄せられている。
現代人の心の暗部や病巣をストレートに見据えながら、善悪の判断を下さず、そのままに提示するグロテスクなまでのアンチヒューマンなドラマは、観る者に衝撃を与えている。
また、鬼気迫るリアリティとアクチュアルな文学性を備えた戯曲を、古舘寛治、辻美奈子、古屋隆太をはじめとした俳優たちが、卓越した演技で体現していくところにも見応えがある。
TEXT/Hiroshi Tsutsumi