ティナリウェンはサハラ砂漠を遊牧する民族トゥアレグ人の若者たちが作ったグループだ。結成は1970年代後半。リーダーのイブラヒムがまだアルジェリアに国外逃亡していた時代のことだった。その後、80年代にリビアのカダフィー大佐が革命指導を目的として作ったキャンプに入村し、はじめてエレキ・ギターと出会う。ここで生まれた「砂漠のブルース」が90年代、サハラ砂漠の各地に散らばるトゥアレグ人の若者たちのサウンド…続きを読む
ティナリウェンはサハラ砂漠を遊牧する民族トゥアレグ人の若者たちが作ったグループだ。結成は1970年代後半。リーダーのイブラヒムがまだアルジェリアに国外逃亡していた時代のことだった。その後、80年代にリビアのカダフィー大佐が革命指導を目的として作ったキャンプに入村し、はじめてエレキ・ギターと出会う。ここで生まれた「砂漠のブルース」が90年代、サハラ砂漠の各地に散らばるトゥアレグ人の若者たちのサウンド・トラックになった。そんな彼らが世界デビューを果たしたのは21世紀に入ってから。ヨーロッパやアメリカをツアーして、世界規模の活動をスタートさせた。特に2007年作『アマン・イマン~水こそ命』(ライス IDR5050)は21世紀以後のワールド・ミュージックの最高傑作と呼ばれるほど好評を得る。続く2009年作『イミディワン~アフリカの仲間たち』(ライス IDR819)ではさらに深みのあるサウンドを披露してくれた。いまのワールド・ミュージック、さらにはアフリカン・ブルース・ロックの分野で、もっとも注目されるグループがティナリウェンだ。