寺山修司の劇団天井桟敷と並んで、60~70年代の一大アングラ演劇ブームを支えた伝説の劇団「状況劇場」を主宰していた唐十郎が、1988年の同劇団散直後に旗揚げ。基本的には状況劇場と同じく、主に「紅テント」と呼ばれる真っ赤なテント小屋で、年2回ほど唐の作・演出・出演作品を上演している。
現実の社会事件をベースにしながらも、「大人のメルヘン」とも言うべきロマンチシズムにあふれる戯曲。そして歌おうが踊ろ…続きを読む
寺山修司の劇団天井桟敷と並んで、60~70年代の一大アングラ演劇ブームを支えた伝説の劇団「状況劇場」を主宰していた唐十郎が、1988年の同劇団散直後に旗揚げ。基本的には状況劇場と同じく、主に「紅テント」と呼ばれる真っ赤なテント小屋で、年2回ほど唐の作・演出・出演作品を上演している。
現実の社会事件をベースにしながらも、「大人のメルヘン」とも言うべきロマンチシズムにあふれる戯曲。そして歌おうが踊ろうが、水を使おうが土を飛ばそうが何でもアリな、テント芝居の特権を最大限に生かした破天荒な舞台で、年代を超えて多くのファンから支持されている。
特に21世紀に入ってからは若者の間で再評価の機運が高まり、2003年の『泥人魚』では、作者の唐が第7回鶴屋南北戯曲賞を受賞した。2007年の公演『行商人ネモ』の制作風景を追いかけたドキュメンタリー映画『シアトリカル』(監督:大島新)が、2007~8年にかけて国内主要都市で公開されている。
TEXT / Yoshinaga Miwako