前身は1970年旗揚げの「上方小劇場」。1987年「遊気舎」に改名する。それまではアングラ色の強い舞台で知られていたが、1990年に作家・演出家・俳優の後藤ひろひとが2代目座長を襲名してから、コメディ路線へと大きく変更。ハイパーでシュールな世界の中で、看板俳優の久保田浩演じる「羽曳野の伊藤」などの定番キャラが大暴れするというスタイルで、関西を代表する人気劇団へと躍り出た。フルオーケストラを入れた『…続きを読む
前身は1970年旗揚げの「上方小劇場」。1987年「遊気舎」に改名する。それまではアングラ色の強い舞台で知られていたが、1990年に作家・演出家・俳優の後藤ひろひとが2代目座長を襲名してから、コメディ路線へと大きく変更。ハイパーでシュールな世界の中で、看板俳優の久保田浩演じる「羽曳野の伊藤」などの定番キャラが大暴れするというスタイルで、関西を代表する人気劇団へと躍り出た。フルオーケストラを入れた『交響詩・大森良雄』(1994年)、アートセンターの全館を使って映画を作る『エル・ニンジャ対サイボーグドラゴン』(1998年)など、小劇場の枠を超えたダイナミックな企画も成功させている。1996年の後藤の退団に伴い、久保田が3代目座長を襲名。後藤は退団後も、2000年まで座付作・演出家として劇団に関わった。それ以降は久保田や石原正一(石原正一ショー)作品など、その時々で作・演出家が変わる形式に。2005年からしばらく休団していたが、2007年に久保田作・演出の新作を2本連続で上演し、復活をアピール。特に『ヒトミズ』は、笑いを最小限にテーマ性の高い物語を展開し、劇団の新境地を開いた。
TEXT / Yoshinaga Miwako