弱冠11歳でニューヨーク・フィルと共演し衝撃的なデビューを果たして以来、五嶋みどりは40年近くにわたり、研ぎ澄まされた演奏技術と繊細かつ優美な演奏スタイルで聴衆の心を掴み、これまで指揮者ではバーンスタイン、アバド、メータ、小澤、ラトル、ヤンソンス、エッシェンバッハ、ヤルヴィ、器楽奏者ではスター
ン、ズッカーマン、ヨーヨー・マ、オーケストラではベルリン・フィル、ウィーン・フィル、パリ管、コンセルトヘ…続きを読む
弱冠11歳でニューヨーク・フィルと共演し衝撃的なデビューを果たして以来、五嶋みどりは40年近くにわたり、研ぎ澄まされた演奏技術と繊細かつ優美な演奏スタイルで聴衆の心を掴み、これまで指揮者ではバーンスタイン、アバド、メータ、小澤、ラトル、ヤンソンス、エッシェンバッハ、ヤルヴィ、器楽奏者ではスター
ン、ズッカーマン、ヨーヨー・マ、オーケストラではベルリン・フィル、ウィーン・フィル、パリ管、コンセルトヘボウ管をはじめ世界の著名な音楽家と共演を重ねている。また音楽界の将来を見据え、委嘱プロジェクトや未開のレパートリーの紹介などの啓発も精力的に行っている。
多忙なコンサート活動にとどまることなく、コミュニティー・エンゲージメント活動を目的とした非営利団体「Midori&Friends」(ニューヨーク)および認定NPO法人ミュージック・シェアリング(旧みどり教育財団東京オフィス)の設立(1992年)を皮切りに、音楽家による社会貢献の先駆者として、常に時代や社会
のニーズを先取りしながら、ロールモデルを自ら体現し、“本物の音楽”の力の限界に挑み続けている。またミュージック・シェアリングの活動の一つであるICEP(International Community Engagement Program)を通じ、世界各地で文化外交を積極的に推し進め、2007年からは国連ピース・メッセンジャーとして、貧困、
平和、環境、教育、女性問題など国連が掲げる多種多様な課題にも熱心に取り組む。受賞歴は数多く、直近では米国ケネディ・センターより「名誉賞」を受賞するなど、幅広く国際的に高く評価されている。
現在、米国カーティス音楽院で教鞭を執るほか、ハイフェッツ・チェアを務めた南カリフォルニア大学ソーントン音楽学校、北京中央音楽学院、上海音楽院、桐朋学園大学など世界の主要音楽院や夏期講習のマスタークラスなどで後進の指導にも余念がない。
録音はソニー・クラシカル、ONDINE、ONYXよりリリース。ソリストとして参加した「パウル・ヒンデミット作品集」は第56回グラミー賞最優秀クラシック・コンペンディアム賞(2013年)を受賞。ケーテン城で収録されたバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」全集はACCENTUSからDVDがリリースされている。
使用楽器はグァルネリ・デル・ジェス「エクス・フーベルマン」(1734年製)。
(2021年2月)