「立命芸術劇場」出身の作家・演出家・俳優の土田英生を中心に、1989年旗揚げ。当時の劇団名は「B級プラクティス」で、1991年「MONO」に改名。当初はつかこうへいの影響が強い芝居を上演していたが、1995年『Holy Night』を境に、風変わりな日常を舞台にした会話劇へと路線を変更。閉塞した人間関係や社会問題などの重いテーマを内包しながらも、テンポの良い会話で巧妙に笑いを取るという、文学性と娯…続きを読む
「立命芸術劇場」出身の作家・演出家・俳優の土田英生を中心に、1989年旗揚げ。当時の劇団名は「B級プラクティス」で、1991年「MONO」に改名。当初はつかこうへいの影響が強い芝居を上演していたが、1995年『Holy Night』を境に、風変わりな日常を舞台にした会話劇へと路線を変更。閉塞した人間関係や社会問題などの重いテーマを内包しながらも、テンポの良い会話で巧妙に笑いを取るという、文学性と娯楽性を高いレベルで両立させた世界は、後身の作家たちにも大きな影響を与えた。1998年『その鉄塔に男たちはいるという』で、土田が第15回OMS戯曲賞大賞を受賞。同作は第44回岸田國士戯曲賞最終選考にもノミネートされている。現在も京都を拠点に、ほぼ年1回ペースで作品を上演。また1996年初演『約三十の嘘』は、2004年に椎名桔平、中谷美紀出演で映画化された。ちなみに土田と俳優・水沼健は、コントユニット「ガバメント・オブ・ドッグス」のメンバーでもある。また水沼は「壁ノ花団」というユニットを主宰し、近年作家・演出家としても高く評価されている。俳優の奥村泰彦も、舞台美術家として活躍中。
TEXT / Yoshinaga Miwako