パシフィックフィルハーモニア東京 特別演奏会 ベートーヴェン･ツィクルスVol.2のチケット情報

いまこの時を共に生きる、私たちの音楽

【コンサートの聴きどころ】
　フランスの文豪ロマン・ロランが「傑作の森」と称したベートーヴェンの壮年期には、充実した作品群が生み落とされた。難聴による音楽家としての絶望や孤独、そうした苦悩を精神で包み込み、芸術の道をいく決意を新たにしたハイリゲンシュタットでの滞在。ベートーヴェンはその後の人生で数々の音楽的実験を試み、創造の高みへと昇っていく。
　ベートーヴェンの人間らしさ、隣人に対する愛、人間存在としての徳、苦悩を芸術へと昇華させる力強い意思の力。そうした生き生きとした魂に音楽を通して触れることで、私たちもまた勇気づけられ、明日も精一杯生きようと思うのだ。
　横山幸雄とパシフィックフィルハーモニア東京のコンビは、2024年8月にベートーヴェンのピアノ協奏曲第1、2、4番で共演し、親密かつ洗練されたアンサンブルの好演が記憶に新しい。このコンビが今年は、ベートーヴェン「傑作の森」である中期を代表する5番のピアノ協奏曲《皇帝》と、ベートーヴェンの協奏曲の中で唯一短調で書かれた第3番のコンチェルトで集大成を迎える。
　自身の内奥に宇宙的な拡がりを感じることで生まれる真なる自由的精神。それを体現したベートーヴェンの存在が、混沌とした今の時代を生きる私たちの支えとなる。