J.S.バッハ《ケーテン侯のための葬送音楽》のチケット情報

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1729年、バッハ44歳――不惑に至ったバッハのふたつの最高芸術
18:15開場、プレトークあり18:30~

《追悼頌歌》BWV198は、ザクセン宮廷の「エバーハルディーネ侯妃」を偲んで1727年に作曲された「バッハ屈指の名曲」です。侯妃は、政策の都合でカトリックに改宗した夫君・ザクセン選帝侯に苦言を呈し、自身はルター派プロテスタントの信仰を守りました。その高潔な人柄は、バッハのいるライプツィヒを含むザクセン領域の多くの人びとに愛されました。逝去に際し人々はとても悲しみ、ライプツィヒでは1727年10月17日に候妃の追悼式典が企画され、バッハが候妃の追悼音楽を担当したのです。おそらくバッハも候妃を心のなかで慕っていたのでしょう。その追悼音楽は、まさに当時の段階での「バッハ芸術の結晶」にふさわしい最高水準の出来栄えとなっています。
それから約1年後の1728年11月、アンハルト=ケーテン候レオポルトが34歳の若さで早世。バッハはライプツィヒに着任する前の約6年間、ケーテンで宮廷楽長をつとめており、その関係でケーテン候の葬送音楽の依頼があったのです。音楽に造詣の深かったケーテン候とバッハとの間には主従関係を超えた、芸術を通しての信頼関係があったと言われています。敬愛するケーテン候を、自身の最高の音楽で送りたいと思ったバッハは2年前の1727年4月に初演した《マタイ受難曲》(初期稿)BWV244bと、同年10月に作曲した上述の《追悼頌歌》BWV198から曲を選りすぐり、《ケーテン候の葬送音楽》BWV244aを作曲しました。つまり、この《ケーテン候の葬送音楽》は、バッハが1729年の時点で、もっとも自信のある音楽を集めた「究極ベスト」だったのです。残念ながらこの「究極ベスト」の楽譜は失われてしまいましたが、今回は作曲家・松岡あさひさんによる「復元版」(初演)で、このバッハの「究極ベスト」を追体験したいと思います。
加藤拓未(音楽学・バッハ研究)

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