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e+ special interview 古田新太
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魅力と色気のある悪役を演じさせたら天下一品! の古田新太。劇団☆新感線の看板役者にして、近年は映像の世界でも大活躍中だが、その古田が自らも大ファンだと公言する井上ひさしの初期作品『藪原検校』で、新たなダーティーヒーロー像に挑戦する。演出は、『天保十二年のシェイクスピア』(2005年)でも井上作品に取り組み、高い評価を得ている"世界のニナガワ"こと蜷川幸雄。ダイナミックな仕掛けのもと、激しい情念が渦巻く舞台が期待できる。 |
蜷川さんがいつもゲラゲラ笑っている稽古場にしたい(笑)。
――まず、『藪原検校』という作品の、どこに魅力を感じられますか? やっぱり、戯曲がバツグンに面白いってことですね。舞台では観たことがないんですけど、学生時代に戯曲は読んでいたので。井上ひさしさんの脚本で、蜷川さんの演出でって聞いたら、誰だってそりゃ引き受けるでしょう! ――蜷川さんの演出を受けられるのは久しぶりですね。 『真情あふるる軽薄さ2001』以来なので6年ぶりです。本当は蜷川さんと「にぎやかなほうのシェイクスピアをやりましょうよ」って話もしていたんですけど、それはそれで。まぁ、よくあることです(笑)。 ――蜷川さんから、なにか注文されたりしましたか? いや、ただ「よろしく」って。あ、でも「髪の毛を剃れるか?」って言われました。 ――髪の毛、実際に剃られるんですか。それも、ものすごく久しぶりなのでは? 4年前、映画『魔界転生』ではかなり短髪でしたけどね。剃る、ということでは『アトミック番外地』(1991年)以来だから、16年ぶりか。 |
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――『アトミック〜』って剃っていましたっけ? 剃ったといっても、半剃りでした。片側が金髪のロン毛で、もう片側が全剃りで、ブル中野みたいな頭だった。モヒカンも今まで3回やっていて、そのたびにサイドを剃っていましたから、つるつるにするのは別に抵抗ないんですよ。でも逆に、手間がかかって面倒くさいんですけどね、毎日剃らなきゃいけないから。 ――蜷川さん演出のおもしろさはどういうところに感じられますか? 前回の『真情〜』でもそうでしたが、あまりこまごまと指示せず、信頼してまかせてくれるんですよ。稽古も、「ざっと流すから集中してやってくれ」って感じだったし。僕的には、すっごくありがたいんですよ。何度も何度も繰り返されると、飽きるタイプなもので。 ――今回のお話で、笑えるエッセンスはあるんですか。 もちろん、いっぱいあります! だから、極悪な話ではありますけど、笑えるお芝居になればいいなと。僕だけじゃなく、面白い先輩たちも大勢出ますからね。うまくいけば、「バッカじゃねえの」って言いながら蜷川さんがいつもゲラゲラ笑っている、そんな稽古場になればいいなーって思っています。 |
杉の市は極悪人、でもなんだかチャーミングなんですよね
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――今回、演じられる杉の市という役は、すごい悪役です。 そう、極悪人なんですけど、でも、ひさしさんの本なので、なんだかちょっとチャーミングなんですよね。人としては最低なんですが、どこかしらに可愛げがあるというか。 ――今の時点で、どう演じようと思われていますか? 僕は結構、台本を読むとこうしたいなってすぐ思う人なんですけど、今回はイマイチ、イメージがわかないというか。台本を頭に入れていかなきゃ、と思ってはいるんだけど、勝手につくっていくのもどうかなっていう気もして。共演者のみなさんがどういう形でつくられるのかもわからないしね。 ――じゃ、すべては稽古に入ってから? と言いつつ、ある程度はつくっていかなきゃとも思うんですけどね。僕にしては、珍しく台本を今からちゃんと読んでいます。だってなにしろ、センテンスが長いんですよ、井上ひさし先生の脚本は。だからなるべく、早いうちから口にのっけていたほうがいいか、と。 ――古田さん的には、一番の楽しみはどういうことですか。 蜷川さんの演出も、田中裕子さんや段田安則さんたちと共演するということももちろん楽しみですけど、僕としてはやっぱりひさしさんの脚本をやれるということが一番かな。高校のころから、ひさしさんの書いた、てんぷくトリオのコント台本とか買ったりしていましたからね。実際に演じたことがあるのは、『天保十二年のシェイクスピア』をいのうえ(ひでのり)さん演出でやったとき(2002年)くらいなので。 |
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――井上ひさしさんの作品の魅力というと。 やっぱりセリフじゃないですか。リズムがよくって、ちょっとした言葉遊びがあって。歌にしても、歌詞がものすごくわかりやすいし。僕、普通にファンなんですよ。 ――お客さんに「ココを見てほしい!」というポイントは? それは……やっぱり、壌(晴彦)さんですかね! ――壌さんは今回、物語の語り手となる役回りでしたね。あの長ゼリフは必見!? だって、あんなに長いセリフは他ではなかなか観られないですよ、講談師でもやらない限り。長い講談の合間に、芝居がはさまってる感じですから。それも普通の講談じゃなくて、芝居のツッコミになってたり、ボケになってたりするんで。 ――今回、歌うシーンはあるんですか。 脚本に入っていますから、歌うんじゃないかな。だって、あの長い部分をそのままセリフとして覚えるのはヤダなーって思っていたんですよ。歌詞としてだったらまだ、覚えられそうだけど。杉の市が、琵琶で物語を語るシーンなんですけどね。これが台本8ページくらいあるんだけど、くだらなくておもしろいお話なんですよ、黒餅と白餅が戦う、お餅対お餅の戦争みたいな(笑)。 ――宇崎竜童さんが音楽を担当されるというのも魅力的です! うん、これもなかなかないことですしね。ちなみに、竜童さんの『身も心も』は僕のカラオケの十八番でもありますから!(笑) |
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写真/渡辺マコト |
古田新太 profile |
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劇団☆新感線の看板役者として、次々と話題の公演に出演する。外部公演への参加も多く、最近では大人計画ウーマンリブ『ウーマンリブ先生』、NODA・MAP『贋作・罪と罰』、長塚圭史作・演出『ラスト・ショウ』などに出演している。また、舞台以外にもCM、ドラマ、映画など幅広く活躍しており、映画『サイドカーに犬』が今年公開予定。 |
物語 |
時は今から200年ほど遡る江戸中期、塩釜の地。魚を売り歩くのを生業とする七兵衛は、家の者が留守だと勝手に上がりこみ、盗みを行う小悪党。醜女だが無類に気立てのよいお志保を嫁にもらい、一旦は改心するが、お産の費用欲しさに行きずりの座頭を殺して金を奪ってしまう。 |
登場人物 |
杉の市、後の二代目藪原検校:古田新太 ギター奏者:赤崎郁洋 |
『藪原検校』とは? |
井上ひさし初期の作品である『藪原検校』。1973年に、江戸三部作の一作目として西武劇場で初演され、その後も国内で何度も再演を重ねる。1990年にはエジンバラ国際芸術祭に招待され、批評家の投票による最優秀演劇賞を受賞。以降、香港、シアトル、ニューヨーク、ロンドン、マンチェスター、トロント、パリ、ウェリントンで上演されている名作である。 |



