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INFORMATION[公演日・会場] 2009年2月25日(水)〜3月5日(木) 2009年3月12日(木)〜3月29日(日) [発売日程] |
e+ special interview 春野寿美礼
オペラで有名な「椿姫」をもとに作られた新作ミュージカル『マルグリット』が、日本でも上演される。第二次世界大戦中のフランスに時代を移し、社会的な切り口でアレンジしたこの舞台は、5月にロンドンのウエストエンドで開幕するやいなや、「現代ミュージカルの水準をあげた」と世界中の注目を集めた。それもそのはずスタッフは一流揃いで、作曲はミシェル・ルグラン、脚本は「レ・ミゼラブル」や「ミス・サイゴン」を手がけたアラン・ブーブビルとクロード=ミッシェル・シェーンベルクのコンビ、演出は世界に名を馳せるジョナサン・ケントである。そして、この話題作の日本版でタイトルロールを演じるのは、元宝塚のトップスター春野寿美礼。花組主演男役を6年近くつとめ、昨年12月24日に惜しまれて退団した人気スターの待望の復帰第一作である。 |
<心の底から「歌いたい」と思った>
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──退団から半年あまり、やっと春野さんの素晴らしい歌声を聞ける機会がきました。 私も、歌えることの喜びを改めて感じています。昨年のクリスマス・イブがサヨナラ公演の千秋楽で、あの日すべてが終わって、そこからは最後の会見でも申し上げたように、ただゆったりのんびりした日々を送っていました。それが今年の1月末に歌を歌う機会があって。それは宝塚から出ている私のCD-BOX「Hearts」という3枚組のアルバムの仕事で、最後の曲の「Ave Maria」だけはあとから入れることになっていたんです。その録音のときに、男役の春野寿美礼としてではなく私自身で歌ったことが、また歌を歌いたいと思う1つのきっかけになりました。 ──久しぶりに歌って気持ちよかったということですか? いえ、そのときは自分的には不完全燃焼でした。それでかえって、ちゃんと歌いたいなという気持ちになりましたし、「Ave Maria」を歌いながら「ああ、歌いたい。歌わせてほしい」っていう気持ちがすごく湧いてきました。宝塚にいた17年間の、忙しかったけれど充実していた日々がクリスマス・イブで終わって、次の日からどこかぽっかり空いた部分があって、でも歌うということを自分でも抑えていた部分があったのです。「もう人前には出ないし、舞台をやるつもりもないと言ったのだから」と。でも心の底では歌いたいって思っていたのだと思います。 |
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──それに火をつけるように、大作ミュージカルのオファーがやってきた。 本当は、まずは歌い手としてやっていこうと思いました。だからコンサートの企画を進めていましたし。でもこの舞台のお話をいただいて、歌の幅を広げるためにもいい経験になるだろうなと思えたのです。スタッフのかたがたは世界的に有名な素晴らしいかたばかりですし、そんな作品の主役を「ぜひ春野で」と製作者側が言ってくださったのも嬉しかったですから。 |
<マルグリットの勇気に助けられて>
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──そして5月のロンドン版のプレビューを観に行ったんですね。作品を観たときはどう思いましたか? 終わったあと感動で席を立てなかったんです。いろいろ考えさせられましたし。あの社会情勢のなかで生きることの苦しさとか、純愛を貫くことの大変さとか。いろいろな人間が出てきて、それぞれの立場上での葛藤もあります。たとえばマルグリットを愛人にしているドイツ軍人のオットーにも苦しみはあります。その中でマルグリットは最後に命を落としてしまうのですが、でもそれは純愛のためで、その思いが胸に迫って切なかったです。 ──オペラの「椿姫」より社会性を打ち出している作品だそうですね。 あの時代は本当にたいへんな時代だったんだなと、改めて突きつけられます。そして今の自分は平和な日本に生きていることを感じてありがたいなと。歌えることや表現できるって素晴らしいなと思いました。この作品のそういうテーマをちゃんと受け止めて、観るかたにも伝えたい。私もマルグリットの勇気に助けられて一歩を踏み出したところもあります。 |
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──この作品なら新しい春野寿美礼として踏み出していけると? そうですね、マルグリットって本当に魅力的な女性ですから。でもハードルはすごく高いと思っています。どの曲も違和感なくお芝居の中に溶け込んでいますし、心情とメロディが本当にうまく重なっているんです。日本語に変わってもあの繊細なニュアンスはきっと伝わると思うし、伝えたいです。でも歌う側にしてみたら本当に難曲ばかりなんですよ。 ──でも春野さんって、難しいことにはかえってファイトが湧くほうでしょう? そういうタイプです(笑)。かえって燃えます(笑)。 ──さて、“男役だった春野寿美礼”がいよいよ女性として動き始めるわけですが。 だって、私はもともと女性ですから(笑)。無理に女性的に作ろうとは思わないし、自然な私の延長上でいろいろな舞台や歌に巡り合いたいし、自分なりにチャレンジしていきたいと思っています。 |
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写真/渡辺マコト |
春野寿美礼 profile |
1991年、宝塚歌劇団入団。同年3月に『ベルサイユのばら』で初舞台を踏み、翌年の1月には花組に配属される。1996年『ハウ・トゥー・サクシード』新人公演(第2部)で初主演、1999年には『冬物語』でバウホール公演初主演を飾る。2002年、博多座公演より主演男役に就任。お披露目公演『エリザベート』では、黄泉の帝王トート役を演じ、その類希な歌唱力で絶賛を浴びた。以降、『ラ・エスペランサ』では一流ダンサーを目指すカルロス役をナチュラルな演技で見せ、2004年度芸術祭演劇部門新人賞を受賞。また、2005年初のコンサート『I GOT MUSIC』、2007年には、世界陸上の開会式で「君が代」を独唱するなど、その活動は多岐にわたる。 同年12月、『アデュー・マルセイユ/ラブ・シンフォニー』で惜しまれながら退団。本作が退団後初舞台出演となる。 |
ストーリー story |
時は第二次世界大戦中のフランス、パリ。街はナチスの占領下におかれ、ドイツ人兵士たちによって行動や言動が規制され監視されている。マルグリットはかつてナイトクラブを沸かせた歌姫だが、今はドイツの将軍(オットー)から寵愛を受け、フランス人であるにも関わらず贅沢三昧の暮らしをおくっている。マルグリットの友人たちはオットーの存在を意識して彼女をもてはやすが、その実、心の内では裏切者のフランス人として蔑んでいる。利害関係で結びついた友人たち、心からは愛すことのできない男オットー、連夜催される意味のないパーティー。虚しさばかりがつのるマルグリットだったが、ある夜、パーティーのバックバンドとして雇われた青年・アルマンと出会う。突然、空襲警報が鳴り響き、パーティー客たちが逃げ惑う中、マルグリットとアルマンは激しい恋におぼれていくのだが……。 |



