INFORMATION

[公演日・会場]

[東京公演]
2008年12月6日(土)〜12月28日(日)
日生劇場

[発売日程]:プレオーダー、:一般発売
プレ:近日公開 [東京]
: 6/14(土) [東京]

e+ special interviewラ・カージュ・オ・フォール

 人を愛する、ということ。ときに人生は、そんなシンプルな問いを投げかけてくる。この物語の登場人物も、そうだ。 ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』。これまでにトニー賞をはじめとする数々の賞を受けてきた、ブロードウェイのヒット作である。この作品が、9年ぶりに鹿賀丈史・市村正親のゴールデンコンビで上演されることが決定した。
 今回、伝説の舞台復活の心境を、鹿賀丈史、島谷ひとみ、香寿たつきの3人に聞いた。

e+ special 鹿賀丈史interview

 一昨年、ブロードウェイで『ラ・カージュ〜』を観ました。少なからずリメイクをしたのだな、ということが、はっきりと伝わってくる作りでしたね。『レ・ミゼラブル』も観たんだけど、ロック歌手がバルジャンをやっていて驚いた(笑)。それでも芯は揺るがずに、両方ともちゃんと『ラ・カージュ〜』だったし『レ・ミゼラブル』だったんですね。優れた作品というのは、こういうふうにして長く息づいていくんだなあと思って。きっと今回も、僕らなりの『ラ・カージュ〜』が生まれていくんですよね。
 ジョルジュとザザの関係は、とても繊細なものをはらんでいると思います。物語後半、愛する息子のために、ザザのアイデンティティに関わるような要求をする。そこに至るまでの、互いの思いの移り変わりをていねいに演じたい。芝居というのは元来、とても繊細なものだと僕は思っているので。
 僕が演じるジョルジュというのも、どこか繊細な一面を持っているというか。ザザの生き方は、色合いが強いんですよね。でもジョルジュの方は、いつもどこかに迷いがあったりして、ザザほど正面切って生きてない。ぱっと見はジョルジュがリードしてるように見えるんだけど、実はそうでもない。……みたいな多層構造が、お客さんに伝わればと思うんです。
 というのも、基本的には僕、揺れてる人や迷ってる人の方が、人間的には面白いと思っているんですよ。大きな舞台はある程度わかりやすくしなきゃならないから、なかなかそういう繊細な揺れを持った人物を演じられる機会って少ないんだけど。それでも、そういう危うさを持つ役柄に、僕はどうしても惹かれてしまう。役柄だけでなく、ひとりの人間の生き方としてもね。「俺のスタイルはこうなんだ!」ってがちがちに固めてしまうのも、つまらないでしょ。悩んで迷って揺れまくって、「でも何だかんだ言いつつ、揺れるの楽しいんでしょ??」って言われるくらいに(笑)、大いに揺れながら演じたいと思っています。
 揺れる俳優、といえば、いっちゃん(市村)もまさにそう。しかも揺れっぷりがものすごく強い(笑)!今回も、彼は非常に揺れる役ですからね。僕が演じる「微妙な揺れ」とのコントラストを、大いに楽しんでいただけたらうれしいですね。

鹿賀丈史profile

 劇団四季在団中に『イエス・キリスト=スーパースター』の主役で脚光を浴びる。退団後の1987年からミュージカル『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン役を14年間にわたって演じ、99年には菊田一夫賞特別賞を受賞する。近年の主な舞台には、『三文オペラ』、ミュージカル『ジキル&ハイド』、『レ・ミゼラブル』、『デモクラシー』、『錦繍』、『ペテン師と詐欺師』など。6月には舞台『かもめ』の公演も控えている。

e+ special 島谷ひとみinterview

 実はまだ私、この舞台に関しては真っ白の状態なんです。音楽はわりとぎりぎりになってから動き始めるんですけど、舞台というのはなんて早くから準備が始まるんだろう! っていうカルチャーショックがいつもあります(笑)。ミュージカルに出演するまでは、どこかとっつきづらくて、難しくて、見るべきところもいっぱいあって大変! って思っていたんですね。でも実際に舞台に立ってみて思ったのは、歌と踊りとお芝居と、そしてライブ感という、私が今まで積み重ねてきたことをフルに活用できる場なんですよね。それで毎日幸せな気持ちになったり、その逆だったり、自分の気持ちがどんどん活性化されてく感じがして。力むことなく感情を歌に込める、というやり方を、私は舞台で学びました。
 そんなふうに目覚めさせてくれたのは、夏に出演した『赤毛のアン』というミュージカル。普段はソロで活動しているので、カンパニー全員でひとつの作品に愛情を注ぐというのは、こんなに素晴らしいことなんだ……! って強く感じましたね。やっていること自体は毎日同じはずなのに、ふとした瞬間に相手から伝わってくるものは、毎日ほんとに違うんですよ。今回も、きっとそう。日本を代表するミュージカル界のスペシャリストの中に私も入れていただけるということに、正直ちょっぴりビビってますけど(笑)、でも自分の持っている数少ない何かをすべてさらけ出すことで、どこかデコボコした、新しい面白みが生まれたらいいなと思っています。
 そして、舞台はこちら側だけで作るものではなく、お客さんがあって初めて成立するもの。登場人物の誰かに、きっと共感していただけるはず。『ラ・カージュ〜』の世界を、ぜひ一緒に楽しみましょう!

島谷ひとみprofile

 1999年7月のデビュー。カバー曲「亜麻色の髪の乙女」では、日本有線大賞最優秀新人賞を受賞。さらに2002年のカラオケ年間チャートでは第一位を獲得し、当時の新記録となる18週連続1位を記録。NHK紅白歌合戦の4年連続出場も果たすなど、数々の金字塔を打ち立てた。近年は、世界的コンダクターである曽我大介氏など、クラシック界の大御所ともコラボレート。ポップスの枠を飛び越えた歌姫は、いまや音楽界の枠組みをもかえてしまう存在となっている。8月からはミュージカル『赤毛のアン』に出演する。

e+ special 香寿たつきinterview

 今まで出演してきたミュージカルは、時代物だったりフィクションだったり、どこか現実離れした設定のものが多かったんです。だから演技も、どこか現実離れした表現をしてきたわけなんですけれど、今回はそうじゃない。とても人生経験豊富で、レストランを自分で経営していて、しっかりと生きているひとりの女性の役なんです。私自身はまだまだそんな女性になれているとは思いませんが、今この役をきちんと人間味を持って演じることが、ひとつの挑戦のような気がしています。  
 宝塚を退団してから5年になります。その間、光栄なことに、似通った役というのがひとつもなかったんです。だから毎回、ひとつひとつが新鮮でしたし、ちゃんとご期待に応えなきゃという思いがとても強かったです。鹿賀さんと市村さんとご一緒した『ペテン師と詐欺師』もそうでした。あれだけハジケた役というのは、それまで演じたことがなく。でも稽古場でのおふたりの、芝居に対する真摯な取り組み方を拝見していて、とても刺激されたというか。自分も、真摯に挑戦していきたいと思ったんです。
 だから今回もご一緒できてとても光栄です。しかも『ラ・カージュ〜』という、数多くの先輩方が演じてこられた名作で。やはり、この作品は“愛”の物語だと私は思います。ジョルジュがザザと、そして息子のジャンに捧げる愛。ザザがジョルジュやジャンに捧げる愛。ジャンの、ジョルジュやザザ、そしてアンヌへの愛。その他いくつもの愛のかたちが、凝縮されてここにある。こういった題材は、まさに今この時代にこそ、やる意義があると思います。しかも、とてもコミカルに描かれているのでからわかりやすいですし、さらにショーの要素もあるので、とても楽しい華やかな舞台になると思います。ぜひ劇場へ足を運んでいただきたいですね。

香寿たつきprofile

 宝塚歌劇団出身。『エリザベート』(ルドルフ皇太子役)、『ベルサイユのばら2001』(アンドレ役)を経て、01年、星組トップとなる。03年『ガラスの風景』、『バビロン』で退団。主な舞台作品に、『・・・and the World Goes ‘Round』、PLAYZONE’04『ウェストサイド・ストーリー』、『屋根の上のヴァイオリン弾き』、『リチャード三世』、『天翔ける風に』、『モーツァルト!』、『10ヶ月』、『オレステス』、『コリオレイナス』、『ジキル&ハイド』、『ペテン師と詐欺師』など。今後は、『ルドルフ』、『ウエディング・ママ』、『THE TAP GUY』に出演する。

 

取材・文/小川志津子

STORY&CAST

<STORY>

 ゲイクラブの経営者・ジョルジュ(鹿賀)と、彼のパートナーにして看板スターのザザことアルバン(市村)。ジョルジュの息子・ジャン(山崎育三郎)が恋人アンヌ(島谷)とその両親を連れてくるというから大変。ジャンの実の母親を呼び寄せ、その場を取り繕おうともくろむものの、肝心の母親が来られなくなってしまい、ザザはある決心を固めるのだった……。


<CAST>

ジョルジュ(「ラ・カージュ・オ・フォール」経営者):鹿賀丈史
看板スターザザことアルバン(ジョルジュの情婦):市村正親
アンヌ(ミッシェルの恋人):島谷ひとみ
ジャン・ミッシェル(ジョルジュの息子):山崎育三郎
ジャックリーヌ(レストラン経営者):香寿たつき