いのうえひでのりインタビュー&動画コメント掲載! 古田新太、宮藤官九郎、勝地涼ほか豪華キャストが集結!! 劇団☆新感線2007年夏休みチャンピオン祭り 「犬顔家の一族の陰謀 〜金田真一耕助之介の事件です。ノート」

INFORMATION

[大阪公演日]
2007年7月14日(土)〜8月4日(土)
イオン化粧品 シアターBRAVA!

[東京公演日]
2007年8月11日(土)〜9月9日(日)
サンシャイン劇場

[発売日程] :プレオーダー、:一般発売
5/17(木)〜5/20(日) 2次プレオーダー、
5/26(土) 〔大阪〕
5/25(金)〜5/30(水)   6/16(土) 〔東京〕

いのうえひでのりさんからe+読者へメッセージが届きました!
犬顔家の一族の陰謀が少しだけ明かされる……!?

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e+ special interview いのうえひでのりfrom劇団☆新感線

 徹底してエンターテインメントにこだわり、常に観客を笑わせ、楽しませようとしてくれるのが、劇団☆新感線のステージだ。『SHIROH』(2004年)、『吉原御免状』(2005年)、『メタル マクベス』(2006年)、そして今年は、年明けから『朧の森に棲む鬼』と、ここのところ大作続きだった彼ら。しかしその原点という意味でも忘れてならないのが、コテコテの笑い、くだらないギャグばかりをつめこんだいわゆる"ネタもの"の舞台だ。久しぶりの"ネタもの"の作・演出に腕を鳴らす座長・いのうえひでのりに、その構想を聞いた。

 

経済的にも、役者の体力的にも"ネタもの"は効率が悪いんですよ(笑)。

――今回の舞台、内容としては『犬顔家の一族の陰謀』という、このタイトルから想像したようなものになるんでしょうか?

 おそらく、みなさんが想像される通りだと思いますよ(笑)。某有名推理ドラマのように、殺人事件が起きて、探偵が現れ、そのなかでまたいろいろとドタバタや事件が起きて、みたいなね。

――ストーリー重視の"いのうえ歌舞伎"シリーズや、音楽重視の"新感線Rシリーズ"と違う、ひたすらギャグ重視の"ネタもの"の舞台ということでは、久しぶりですね。

 『レッツゴー!忍法帖』(2004年)以来ですから、3年ぶりです。まあ、ネタものの舞台は経済効率が悪いので、このくらいのペースになってしまいますね。役者の体力的な問題も大きいし。

――"ネタもの"のほうが、役者の体力が必要なんですか?

 ムダに必要ですね(笑)。あまり有効ではない体力の使い方をしますから。なぜか、ムダに汗をかいているほうがおもしろいじゃないですか。でも、こうして"ネタもの"をやってこそ新感線という感じはしますよね。新感線は"いのうえ歌舞伎"だけじゃないってことです。精神的な支柱のひとつでもあるかな。役者もみんな"ネタもの"もやりたいなって思っているはずなんです。でもなかなか頻繁にはね。経済的、そして肉体的にも「よーし!」ってタイミングがないとできないから。

――では、3年たったので、今「よーし!」と。

 そういうこと。しかし、今回のメンバーも濃い人ばかりですよ。普通に一人ずつ、お客さんを集められる役者さんなのに、それをこうしてムダ遣いする(笑)、というところも経済効率が悪いでしょ。

――タイトルから想像できる、あの作品のパロディというわけですよね。

 でも、あの作品のテイストだけではなく、いろいろな作品を参考にしたものにしようと思っています。昔の邦画のサスペンスものとか、胡散臭い感じがあるじゃないですか。そういう作品のパロディも、いろいろ盛り込むつもりです。

――演出的に、今回はこれをやりたいということはありますか。

 今ね、ちょっと考えているのは、有名な映画の印象的なシーンをできるだけばっちり、絵として表現してみたいなと。でも、それをどうやってやろうかは模索中。映像で見せるのは簡単だけど。

――映像とは違う、舞台ならではの見せ方で。

 そう。わざわざ、ムダに、そのシーンのために舞台でやるっていうのもおもしろいと思うんです。でも、それはそれでムダ過ぎると怒られそうな気もするけど。

――経済効率が悪い、と?(笑)

 ええ。そのへん、どうやって折り合いをつけていくかが問題ですね。まぁ、だから今回はさまざまな有名映画のパロディということです。ベースになる設定はやはり、白いゴムマスクをかぶったような男が現れたり、松子、竹子、梅子というような3人の娘がいたり。歌や、土地の言い伝えにひっかけて殺人事件が起きていくというものになると思います。そこへ、金田真一耕助之介(かねだしんいちこうずけのすけ)が謎解きにくるわけです。

 

犯人役を誰にするかが、今、一番の悩みどころなんです。

――この探偵役をやられるのが?

 宮藤(官九郎)くんです。あの探偵のパロディをクドカンでやろうっていうのは、最初から決めていました。それと、旧家の長女役を木野(花)さんにしようとか、古田(新太)は遺産を狙っている次女のダンナ役にしよう、とか。あとはみんな、誰が犯人役でもいいなっていう、犯人顔の人ばかりじゃないですか。誰がやってもハマりそうでしょ? 

――じゃ、誰を犯人役にするか、悩みどころじゃないですか?

 一番の悩みどころですね。だって、本当に誰でもいけそうな気がしますから。オトシどころをどうするか、まだ悩んでいますよ。でも上演時間は、休憩入れて3時間以内にはなんとかおさめたいんですけどね。2時間半におさまることは、このキャスティングではありえないだろうな。

――上演時間が長くなるのは、このキャストでは必至だと。

 だって、一人10分ずつしゃべったとしてもメインだけで90分なんですから(笑)。なにしろ、キャラがみなさん濃いですからね。ただムダに出てきてひっこむだけでも、それはそれでおもしろいけど(笑)。

――歌や踊りは?

 もちろん、入れますよ。どうしても、こういう舞台は地味に見られがちなので、それを裏切るようなシュールなダンスシーンとかを意味なく、入れてみようかな。とにかく笑えれば、なんでもアリです。

――今回は宮藤さん、勝地(涼)さん、小松(和重)さんが新感線初参加となります。初参加組の3人に、いのうえさんが期待することをそれぞれうかがいたいのですが。

 クドカンには、彼のキャラクターを生かしつつ、ツッコミどころをやってもらいたいかな。今回はどちらかというと、ボケ倒す人のほうが多いと思うんで。クドカンもボケはすると思うんですが、体質的にはツッコミ体質でしょう。勝地くんは、一服の清涼剤ですよ。箸休めというか、お漬物、みたいな(笑)。油ものばかり食ってると、胸焼けしちゃうから。焼肉のあとの冷麺のような存在になってもらいます。小松くんには、人一倍ムダに汗をかいてほしい。彼の場合は延々、人に激しくツッコミまくってるっていうのが、おかしいかなと思うのでね。

――では今回、いのうえさんの一番の楽しみというと?

 ちょっとインチキくさい笑いっていうのが、やりたいんです。昔の邦画に出てくるような、いかにもな感じのマフィアとか、財閥のご令嬢なのよとか、ヨーロッパ帰りのデザイナーなのよとか(笑)。「嘘つけ!」みたいな感じのヤツが、「ハッハッハ」ってブランデーグラスまわしながら出てきたり。そういう胡散臭さが漂う舞台にしたいと思います。そういう人たちばっかりが次々に出てくるってことですよ(笑)。そういうことを考えたりするのが、まずは楽しみですね。

――もしかしたら、初めて新感線の"ネタもの"を観るお客様もいるかもしれませんね。

 『朧の森に棲む鬼』を観て、ああいうものを期待して今回の舞台に来られた場合は、失望されるかもしれません(笑)。でもまあ、この『犬顔家〜』というタイトルから、察してほしいということですよ。このタイトルでいのうえ歌舞伎と同じものを期待されても、違うでしょ、と。なんとかタイトルから全体の空気を察して、ぜひとも怒らずに(笑)、ちゃんと受け止めていただけたらと思いますね。

 

写真/渡辺マコト
取材・文/田中里津子

 

いのうえひでのり profile

 1980年劇団☆新感線を旗揚げ。以来、劇画・マンガ的な世界観にあたかもコンサート会場に来ているようなド派手な照明と音響を用いた構成で、演劇ファンのみならず音楽ファンからも絶大な支持を受ける。また、役者の資質を見極め引き出す演出家としても注目され、劇団☆新感線から筧利夫、渡辺いっけい、羽野晶紀らを輩出。劇団の本公演以外では稲垣吾郎主演『広島に原爆を落とす日』(97年)、上川隆也主演『天保十二年のシェイクスピア』(02年)、松岡昌宏主演『スサノオ』(03年)、中川晃教主演『TOMMY』(07年)等プロデュース公演の演出を多数手がける。
 04年には、『髑髏城の七人』を同じ脚本で全くの別キャストを起用し演出を変えての連続上演。さらに、12月帝劇公演『SHIROH』では本格的にオリジナル・ロック・ミュージカルに挑戦し高い評価を得た。05年は初の原作小説『吉原御免状』を舞台化。原作に忠実に、笑いを一切排除した作品作りで新境地を開拓。06年には宮藤官九郎を脚色に迎えシェイクスピア作品に初挑戦し、四大悲劇のひとつ「マクベス」をヘヴィメタルテイストに大胆にアレンジした『メタル マクベス』を上演するなど、アクションと歌舞伎が合体した活劇の独特な手法は、小劇場という枠を越えて、新しいエンターテイメントの"新感線"というジャンルが確立されている。

 

【受賞歴】
第2回朝日舞台芸術賞・秋元松代賞(『アテルイ』作品賞として)
第14回日本演劇協会賞(『髑髏城の七人』『SHIROH』の演出において)
第9回千田是也賞(『メタル マクベス』の演出において)
平成18年度芸術選奨文部科学大臣新人賞

 

出演

古田新太、宮藤官九郎、勝地涼/橋本じゅん、高田聖子、小松和重、粟根まこと/池田成志/木野花、ほか

 

古田新太 profile

1965年12月3日生まれ 神戸市生まれ
 劇団☆新感線の看板役者。大阪芸大在学中に劇団☆新感線に参加。エネルギッシュな迫力ある演技には定評がある。外部の舞台へも積極的に出演し、04年は自身の企画「鈍獣」も上演。舞台以外にテレビ・映画・CMへの出演の他、ラジオのパーソナリティやコラムニストとしても活躍中。

 

《主な出演作》
[ 舞台 ]
「藪原検校」(07年5月8日〜31日Bunkamuraシアターコクーン)、「ウーマンリブ先生」(06)、「贋作・罪と罰」(05-06)、「LAST SHOW」(05)、「走れメルス」(04-05)、「欲望という名の電車」(03)他 劇団☆新感線公演
[TV]  
NTV「プリマダム」「ギャルサー」/ANB「下北サンデーズ」(06)、ANB「はるか17」/TBS「タイガー&ドラゴン」/CX「離婚弁護士」/NTV「87%」(05)、CX「ハコイリムスメ!」/NTV「僕の魔法使い」(03)他
[映画]
「サイドカーに犬」(07年秋公開予定)、「カインの末裔」(07)、「木更津キャッツアイ〜ワールドシリーズ」「花よりもなほ」(06)、「真夜中の弥次さん喜多さん」「東京ゾンビ」(05)、「木更津キャッツアイ〜日本シリーズ」(03) 他

 

宮藤官九郎 profile

1970年7月19日生まれ 宮城県出身
 91年より松尾スズキ主宰の「大人計画」に参加。俳優として活躍するとともに、「ウーマンリブ」シリーズでは自ら作・演出も手掛ける。舞台以外では、映画「嫌われ松子の一生」(06年)「大帝の剣」(07年4月公開)などの映像作品に出演するほか、脚本家として映画「69」「ゼブラーマン」、TVドラマ「木更津キャッツアイ」「タイガー&ドラゴン」「吾輩は主婦である」などの話題作を手掛ける。また、05年に映画「真夜中の弥次さん喜多さん」で長編映画監督デビューを果たし、2005年度新藤兼人賞金賞を受賞。最新脚本作に「舞妓Haaaan!!!」(07年6月16日公開)がある。その他、パンクコントバンド「グループ魂」のギタリスト"暴動"としても人気を博す。劇団☆新感線には昨年の「メタル マクベス」で脚色として参加、役者としては初参加となる。

 

《主な出演作》
[舞台]
「ドブの輝き」(作・演出・出演/07年5月10日〜6月3日下北沢本多劇場)、「ニンゲン御破産」(03)「キレイ-神様と待ち合わせした女-」(05・00) 他
[映画]
「嫌われ松子の一生」(06)「大帝の剣」(07年4月公開)、「クワイエットルームにようこそ」「魍魎の匣」(07年公開予定) 他

【受賞歴】
2005年度新藤兼人賞金賞(「真夜中の弥次さん喜多さん」監督において)
第49回岸田國士戯曲賞(「鈍獣」の脚本において)
平成14年度芸術選奨文部科学大臣新人賞(「木更津キャッツアイ」の脚本において)
第26回日本アカデミー賞優秀脚本賞(「ピンポン」の脚本において)
第25回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第53回読売文学賞戯曲・シナリオ賞 他 (「GO」の脚本において)

 

勝地涼 profile

1986年8月20日生まれ 東京都出身
 2000年にデビューして以来、映画「リリィ・シュシュのすべて」「バトルロワイアルU」「亡国のイージス」や、テレビドラマ「永遠の仔」(YTV)「さとうきび畑の唄」(TBS)など話題作への出演が続き人気を集める。更には蜷川幸雄演出の舞台「シブヤから遠く離れて」や、二作品連続上演が話題を呼んだ「父帰る/屋上の狂人」へ出演するなど、多方面に渡って活躍している。今最も注目を集めている若手実力派俳優である。

 

《主な出演作》
[ 舞台 ]
「父帰る/屋上の狂人」(06)、「KITCHEN キッチン」(05)、「シブヤから遠く離れて」(04)
[TV]  
NTV「ハケンの品格」(07)、TBS「少しは恩返しできたかな」「里見八犬伝」(06)、TBS「それは、突然、嵐のように・・・」/NHK「ちょっと待って、神様」(04)、TBS「末っ子長男姉三人」/NHK「盲導犬クイールの一生」(03) 他
[映画]
「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(07年春公開予定)、「吉祥天女」「阿波DANCE」(07年夏公開予定)、「幸福な食卓」(07)、「花よりもなほ」(06)、「銀色の髪アギト」(06・主人公アギトの声優) 他