恒例コクーン歌舞伎第八弾! 渋谷・コクーン歌舞伎「三人吉三」

INFORMATION

[公演日・会場]
2007年6月7日(木)〜28日(木)
Bunkamuraシアターコクーン

[発売日程]:プレオーダー、:一般発売
4/22(日) 〜

あのコクーン歌舞伎が渋谷の街に帰ってくる!

 歌舞伎界の大スター中村勘三郎らが、1994年に歌舞伎の粋や感動を若者にも知ってもらおうと若者の街・渋谷で歌舞伎を上演し話題となった「渋谷・コクーン歌舞伎」。8回目を迎える今回上演される演目は、2001年にコクーン歌舞伎第四弾として登場し、好評を博した『三人吉三』に決定。今回は再度演出を練り直し、より完成度の高い新たな『三人吉三』として上演される。

 『三人吉三』は江戸幕末、宝刀「庚申丸」と百両の金を軸に、三人の吉三が人知を超えた運命の力によって翻弄される姿を描いており、現代にも通じる物語。登場人物たちはこの因果を知るよしもなく、客席だけが答えを知っているというまるで推理映画のような感覚を生み出し、また観客は三人の吉三の破滅を見つめ続けて行くという残酷な目撃者となる。

 出演は、数奇な運命から悪の道へ入ったものの、やがて良心の呵責に悩まされる三人の吉三、和尚吉三に中村勘三郎、お譲吉三に中村福助、お坊吉三に中村橋之助が、また過去の悪事の報いに絶えずおびえながら生きる伝吉に笹野高史という豪華な布陣。演出・美術には串田和美と、コクーン歌舞伎ならではの舞台が観られるはずだ!

 

主な登場人物

和尚吉三 : 中村勘三郎
お嬢吉三 : 中村福助
お坊吉三 : 中村橋之助
十三郎 : 中村勘太郎
おとせ : 中村七之助
研師与九郎兵衛 : 片岡亀蔵
土左衛門伝吉 : 笹野高史

 

会見リポート

 "渋谷の歌舞伎"として、すっかり恒例となったコクーン歌舞伎。その第8弾となる今回は、2001年に第4弾として上演された『三人吉三』の再演を行うことになった。

 3月某日、都内で行われた記者会見で、演出を担当する串田和美は「『三人吉三』はこういう歌舞伎があってもいいんだ、自分にはこういう役割があるんだということが見つかるきっかけになった作品。早くもう一度やりたいと思っていた。今回もみんなで稽古場でワイワイ言いながら、また新しい発見ができるはず」と力強くコメント。

 中村勘三郎も「何も変わってないように見えても、実は毎日、変化があるものなんです。まさに芝居はナマモノで、特にコクーン歌舞伎はナマなんだなってことはいつもつくづく思わされますね。そこにとどまっていない液体というか、アメーバのように形がどんどん変わっていく。「変えよう」と思うのではなく、やる側の気持ちが変わると必然的に演じ方も変わっていくものなんですね。そんななかで、もっとよくなるように自分を磨いていきつつ、脚本をどう読み込んでいくか。それが自分としては一番の作業だと思います」と、コクーン歌舞伎への強い思い入れを語った。

 

 さらに中村福助は「初演のとき、串田監督に「今までの概念をぶち壊して演じてほしい」と言われてすごく悩みましたが、それもまた自分の中でひとつの財産になった作品になりました。今回もまた、いろんな意味でいろいろぶち壊して、新しいものをつくりたい」と、この再演の機会を心から喜んでいる様子。

 中村橋之助からは「実はこの3人(勘三郎、福助、橋之助)で初めてケンカをした作品でもあって。次の日には目も合わせないでいたら、串田監督がまるでお父さんのように「みんな、仲良くするんだ!」っておっしゃって、それで3人手をつないでポロポロ泣きました。そのとき、まさに『三人吉三』ってこういうものなんだと思いましたね」と、初演時の意外なエピソードの告白があった。

 

 そして"歌舞伎役者"として"淡路屋"という屋号も持っている笹野高史の「自分は、まだやっと歌舞伎という玄関の戸を少し開けて覗かせていただいたところ。今回はいい機会なので、もう1回出直して、100mくらいうしろのほうから近づいて、心を入れなおして臨みたいですね。すごろくの1に戻った気持ちでがんばります」との謙虚なコメントにはキャストも串田も笑顔、笑顔。

 また、現時点では決定が出ていなかったので名前は明かされなかったが、音楽でも新たなチャレンジがあるとのこと。初演ではテクノ音楽と歌舞伎との融合があったことを考えると、今回も意外なコラボレーションが誕生する可能性大。後日の発表を楽しみに待ちたい。

 

取材・文/田中里津子

MOVIE − 製作発表の模様をお届けします!

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出演者プロフィール

中村勘三郎

十八代目(屋号:中村屋)
 昭和30年5月30日生まれ。十七代目中村勘三郎の長男。昭和34年4月歌舞伎座『昔噺桃太郎』の桃太郎で五代目中村勘九郎の名で初舞台。平成17年3〜5月歌舞伎座『一條大蔵譚』の一條大蔵卿などで十八代目中村勘三郎を襲名。

 

中村福助

九代目 (屋号:成駒屋)
 昭和35年10月29日生まれ。七代目中村芝翫の長男。昭和42年4・5月歌舞伎座『野崎村』の庄屋の倅(せがれ)栄三ほかで五代目中村児太郎を名で初舞台。平成4年4月歌舞伎座『金閣寺』の雪姫と『娘道成寺』の白拍子花子で九代目中村福助を襲名。

 

中村橋之助

三代目 (屋号:成駒屋)
 昭和40年8月31日生まれ。七代目中村芝翫の次男。昭和45年5月国立劇場『柳影沢蛍火』の吉松君で中村幸二の名で初舞台。 昭和55年4月歌舞伎座『沓手鳥孤城落月』の裸武者石川銀八ほかで三代目中村橋之助を襲名。

 

中村勘太郎

二代目(屋号:中村屋)
 昭和56年10月31日生まれ。十八代目中村勘三郎の長男。昭和61年1月歌舞伎座『盛綱陣屋』の小三郎で初お目見得。昭和62年1月歌舞伎座『門出二人桃太郎』の兄の桃太郎で二代目中村勘太郎の名で初舞台。

 

中村七之助

二代目(屋号:中村屋)
 昭和58年5月18日生まれ。十八代目中村勘三郎の次男。昭和61年9月『檻(おり)』の祭りの子で初お目見得。 昭和62年1月歌舞伎座『門出二人桃太郎』で二代目中村七之助の名で初舞台。

 

片岡亀蔵

九代目 (屋号:成駒屋)
 昭和36年9月15日生まれ。五代目片岡市蔵の次男。昭和40年12月歌舞伎座『忠臣蔵』の天川屋義平の一子・由松で片岡二郎の名で初舞台。昭和44年11月歌舞伎座『弁天娘女男白浪』の丁稚三吉ほかで四代目片岡亀蔵を襲名。

 

笹野高史

 昭和23年6月22日生まれ。昭和46年に劇団自由劇場に入団。『上海バンスキング』のバクマツ役は当たり役として有名。昭和57年退団。『ミス・サイゴン』『空想万年サーカス団』の舞台を始め、映画『男はつらいよ』『釣りバカ日誌』『武士の一分』や『さくら』などのテレビ番組でも活躍。コクーン歌舞伎には4回目の出演。

 

「渋谷・コクーン歌舞伎」の成り立ちと魅力

 1994年、若者の街・渋谷から江戸の歌舞伎を発信しようと、中村勘九郎(現・勘三郎)と串田和美が中心となって、馴染みの狂言を現代感覚で表現。これまでに計7回上演され、その斬新で歌舞伎の型にはまらない演出は、新たな歌舞伎の魅力、演劇の持つ力を再認識させてくれた。歌舞伎ファン以外からも絶賛され、毎回のようにチケット争奪戦、立ち見の満員御礼がでる大入りの人気公演となった「渋谷・コクーン歌舞伎」の魅力は、大胆でシンプルなセット、ロックのBGMを試みるなど歌舞伎の常識を覆した演出と、江戸芝居小屋の雰囲気を忠実に再現したことだろう。観客席の一部が、平場席に生まれ変わり、熱演をふるう役者たちが観る者のすぐ横を通り過ぎる、臨場感あふれる芝居と観客との一体感は、この公演の特徴のひとつ。歌舞伎をよく観る人も、初めて観劇に来た人にとっても、コクーン歌舞伎は、初めて体験する歌舞伎であることが最大の魅力となっている。

 

「コクーン歌舞伎」これまでの公演記録

◆第1回『東海道四谷会談』
1994年5月29日〜6月26日
<主な配役>
お岩・佐藤与茂七・小仏小平:中村勘九郎(現・勘三郎)
民谷伊右衛門:中村橋之助
お袖:片岡孝太郎
直助権兵衛:市川染五郎
按摩宅悦:板東吉弥


芸術監督:串田和美

 

◆第2回『夏祭浪花鑑』
1996年8月30日〜9月24日
<主な配役>
団七九郎兵衛・徳兵衛女房お辰:中村勘九郎(現・勘三郎)
団七女房お梶:中村扇雀
一寸徳兵衛:中村橋之助
傾城琴浦:片岡孝太郎
玉島磯之丞:市川染五郎
下剃三吉:中村獅童
釣船三婦:坂東吉弥


演出:串田和美

 

◆第3回『盟三五大切』
1998年9月2日〜26日
<主な配役>
薩摩源五兵衛・笹野屋三五郎:中村勘九郎(現・勘三郎)
芸者小万:中村福助
薩摩源五兵衛・笹野屋三五郎:中村橋之助
家主くり廻しの弥助・富森助右衛門:坂東彌十郎
徳右衛門同心了心・ますます坊主:笹野高史
ごろつき勘九郎・出石宅兵衛:片岡亀蔵
船頭お先の伊之助:中村獅童
若党六七八右衛門:中村勘太郎


演出:串田和美
※薩摩源五兵衛と笹野屋三五郎は、中村勘九郎と中村橋之助が、北番、南番として、各回交互出演。

 

◆第4回『三人吉三』
2001年6月5日〜27日
<主な配役>
和尚吉三:中村勘九郎(現・勘三郎)
お嬢吉三:中村福助
お坊吉三:中村橋之助
土左衛門伝吉:坂東彌十郎
研師与九兵衛:片岡亀蔵
長沼六郎:中村獅童
おとせ:中村勘太郎
十三郎:中村七之助


演出:串田和美

 

◆第5回『夏祭浪花鑑』
2003年6月2日〜26日
<主な配役>
団七九郎兵衛・徳兵衛女房お辰:中村勘九郎(現・勘三郎)
団七女房お梶:中村扇雀
一寸徳兵衛:中村橋之助
傾城琴浦:坂東彌十郎
玉島磯之丞:中村獅童
傾城琴浦:中村七之助
三河屋義平次:笹野高史


演出:串田和美

 

◆第6回『桜姫』
2005年6月5日〜26日
<主な配役>
桜姫:中村福助
清玄・釣鐘権助:中村橋之助
入間悪五郎:中村勘太郎
粟津七郎:中村七之助
役僧残月:坂東彌十郎
局長浦:中村扇雀


演出:串田和美

 

◆第7回『東海道四谷怪談』
2006年3月18日〜4月24日
<主な配役>
○南番
お岩・小仏小平・佐藤与茂七:中村勘三郎
民谷伊右衛門:中村橋之助
お梅:中村七之助
按摩宅悦:片岡亀蔵
伊藤喜兵衛・お熊・舞台番:笹野高史
直助権兵衛:坂東彌十郎
お袖・お花:中村扇雀

○北番
お岩・直助権兵衛:中村勘三郎
民谷伊右衛門・小汐田又之丞:中村橋之助
お袖:中村七之助
お梅:坂東新悟
秋山長兵衛:片岡亀蔵 
伊藤喜兵衛・按摩宅悦・お熊:笹野高史
四谷左門・仏孫兵衛:坂東彌十郎
佐藤与茂七・小仏小平:中村扇雀


演出・美術:串田和美