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e+スペシャルインタビュー 中村勘太郎、七之助インタビュー!
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にぎやかでおめでたい正月気分を満喫しながら、今、最もイキオイのある若手歌舞伎俳優たちによる歌舞伎を堪能できる。それが、浅草歌舞伎の最大の魅力だ。 |
中村勘太郎interview
おかるも勘平も難しい役。ストーリー展開のおもしろさを重点的にしつつ、心の内面の芝居なので、そこをしっかりと見せていきたい
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――今回、『仮名手本忠臣蔵』を、しかも1部・2部で役を替えてやる、ということを聞かれたとき、率直にどんなことを思われましたか? 『仮名手本〜』の五、六段目というのは、特に大きな演目として僕たちもとらえていますから、正直なところ「まさか!」って思いましたね。本当なら、こんなに若い自分にやらせていただける役ではないですから。もちろん、とてもやりたかった役なので、うれしい気持ちもありますけど、不安も大きいです。 ――『仮名手本〜』の、演目自体のおもしろさ、思い入れという点ではいかがですか。 『仮名手本〜』のメインの物語はもちろん討ち入りなんですが、出てくる主人公たちは、討ち入りを陰で支える人たちだったりして、サイドストーリーが多い物語なんですね。そのサイドストーリーの中でも、五、六段目の主人公・勘平というのは、四十七士のメンバーに、まあ、最終的には入れるんですけれども、実は死んでから入れたという、哀しい物語なんです。だから、『仮名手本〜』の中で語られる恋愛の物語の中でも、結構悲劇的で……。 ――そうですよね。行き違いがあったり、勘違いがあったりして。 ええ。そうなんです。あとは、やはりうちの父や祖父がやっているのを観ていますし。思い入れの強い演目のひとつですね。 ――やはり、以前からやってみたい役柄のひとつではあった。 それは、もちろんです! ――おかると勘平ではどちらのほうが、より、やりたいというのはありますか? それはやっぱり……、勘平のほうかな(笑)。 ――それぞれの役を演じるにあたって、気をつけたいこと、こう演じたいというのは。 う〜ん、まずそれ以前に、基本のことをちゃんと今はやらなきゃいけないと思っているところなんですけれども。特に、おかるの場合は、“女房”という役をお芝居でやったことが、僕もまだ数回しかないのでね。勘平さんをサポートする女房という役回りを、しっかりと出していきたいです。 ――その一方で、勘平のほうは。 勘平のほうは……やることがいっぱいあって、大変なんですよね。 ――見せ場もいっぱいありますし。 そうですねえ。勘平は猟師になっているんですが、武士であることも忘れていなくて、一本、筋が通っていないといけない。ホント難しい役です。その上、後半は耐えるだけの、全部を受け止めなきゃいけない芝居になるので、演じるほうもツラいんじゃないかと思いますが、そこも精一杯やっていきたいです。 ――やはり、プレッシャーは大きいですか? 今回は、演目が演目なのでね(笑)。もちろんやらせていただけるっていう楽しみはあるんですが、あまり楽しんでばかりもいられないというか(笑)。まあ、ストーリー展開のおもしろさを見せるということを重点的にしつつ、心の内面の芝居なので、そこをしっかりと見せていきたい。もちろん歌舞伎としての“型”というものもありますので、そこをしっかりしてから、さらに気持ちの部分を出せたらいいなと思っています。 |
大きな役をやらせていただける喜びがある浅草歌舞伎。「ああ、気持ちいいな、舞台は楽しいな」と改めて思ったことが何度もあります
――そして、勘太郎さんが出演されるもうひとつの演目は『蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)』ですが。 はい! これはね、『蜘蛛拍子舞(くものひょうしまい)』ではないんですよね。この間、亀治郎さんと会って「どんなのなんですか?」って聞いたら、「今、僕が書いてるから」ですって。「この人、スゴイな!」って思いました(笑)。 ――(笑)。では、わりとオリジナル的な舞台になるということでしょうか。 ある程度、オリジナルなんでしょうね。通常、四役のところが、六役の早替りになるようですし。仕掛けもいろいろあって、派手な踊りになると思います。 ――お客様に、勘太郎さんの口からこちらの演目のおもしろさをアピールするとしたら、どんなふうに紹介してくださいますか。 それはやっぱり、亀治郎さんの六役でしょう! 僕たちもどういうものになるか、楽しみなんですよ。イチから新しいものというわけではないですけれども、自分たちである程度つくっていくという意味では初めてのことですし。あれこれ話しながら、みんなでつくっていけたらいいなと思っています。 ――浅草歌舞伎に、これまで参加してきて、印象に残っていること、浅草ならではのことというと。 一番、印象に残ってるのは……そうだなあ。やっぱり初めて参加したときですかね。初めて舞台で大きな役をやらせていただくという喜びと、あとは僕たちだけで幕を開けなきゃいけないというプレッシャーの中で、務めたというのはやはり大きかったです。 ――浅草歌舞伎ならではの楽しみは? やはりお正月の2日から芝居ができる喜びでしょうか。しかも、江戸時代には芝居小屋がたくさんあったという浅草で。今でも、その雰囲気が残ってるじゃないですか。そんな中で芝居ができるっていうのはうれしいものですし。お客様も、いろいろな方が来てくださいますしね。 ――そうですね、特にバラエティ豊かな客席という印象があります。 ええ。年配の方から若い方まで、いらっしゃいますからね。 ――浅草歌舞伎に参加したからこそ、ご自分で得たもの、変化したことというと? それはやはり、大きな役をやらせていただけるということですね。やっぱり、やってみないとわからないですから。もちろんそれによって、「ああ〜、気持ちいいな、舞台は楽しいな」と改めて思ったことが何度もありましたし。あと、亀治郎さんや獅童さん、男女蔵さんたちに出会えたということも大きいですね。 ――では最後にお客様へ、お誘いのメッセージをいただけますか。 今回は、まず第1部では『鳴神』という、歌舞伎の十八番モノで大きい派手なものが序幕にありまして。こちらは獅童さんと亀治郎さんがとてもパワフルにやってくださると思います。1部・2部の『仮名手本〜』は、正直、難しい芝居です。でも、ドラマ性が強いですし、夫婦の別れであるとか、共感できる部分もいろいろあると思うんでね。じっくりと、観ていただきたい。そして第2部の最後は、亀治郎さんがたっぷりと、華やかに魅せてくださるはずなので、こちらも楽しみにしていただきたいですね! |
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中村勘太郎profile |
屋号・中村屋。十八代目中村勘三郎の長男。昭和61年1月、歌舞伎座『盛綱陣屋』の小三郎で初お目見得。昭和62年1月、歌舞伎座『門出二人桃太郎』の兄の桃太郎で二代目中村勘太郎を名のり初舞台を踏む。18歳で歌舞伎座『鏡獅子』に挑戦し、意欲的な舞台を見せている。また、2004年には、NHK大河ドラマ『新選組!』、舞台『走れメルス』(野田秀樹作・演出)など、歌舞伎以外にも幅広く活躍している。 |
中村七之助interview
子供のころ観た父の舞台で一番記憶に残っている『仮名手本忠臣蔵』。いずれやりたいと思っていた役なので、プレッシャーは大きいです
――『仮名手本忠臣蔵』を昼夜で役替わりされるというのが、やはり今回の大きな見どころですよね。演じる側としては、1部と2部、同じ演目で違う役を演じるというのは? いつも浅草歌舞伎では大きな役をやらせていただいているのですが、特にこのおかると勘平というのは、大役ですから。自分でできるのかなって、まず不安になりましたね。 ――今までなさってきた大役のなかでも、一番、不安を感じるような? というか、楽しんではできないものなんだろうなと思いました。だって、まだ結婚もしたことないのに、“女房”役というのもなんだか変な感じですし(笑)。ちゃんと、消化できるのかな、と。本番の一ヶ月をかけても、つかめないままで終わってしまうかもしれないという不安が、まだちょっとありますね。 ――七之助さんが感じられる、『仮名手本〜』という演目自体のおもしろさ、思い入れとは。 やはり、この演目、特に五、六段目は物語自体がおもしろいですからね。僕も、小さい頃に、父親が勘平を演っているのを観ていて、一番記憶に残っているんですよ。実は、あまり芝居って、連れて行ってもらえなかったんですけど。このときは母親のひざに乗って、父親が腹を突いている場面を観たとき、「あぁ、哀しいな」って思って。その映像が今でも頭に残っているくらい、とても心に響いた作品なので。いずれやりたいとは思っていましたけど、でもまさか、この年齢でやらせていただけるとは思っていませんでした。だって、まだ僕、22歳ですからね。自分なりにやるしかないなとは、思っていますが。 ――おかると勘平、どっちのほうが、より、やりたいというのはありましたか? どちらもやりたい気持ちはありましたけど、やはり勘平よりは、おかるを演ってみたいと思っていましたね。 ――では、今からお稽古が楽しみでもあり。 不安でもあり(笑)。かなり、厳しい稽古になるんじゃないかと思います。 ――いつもの浅草歌舞伎の感覚とも、またちょっと違う感覚ですか? プレッシャーが、いつもより大きいですからね。僕の中だけかもしれないんですけど、勘平って、ちょっと別格な役というか。いろんな別格があるんですけど、そのなかのひとつなんです。役柄的に、若さを出すってこともできない役ですから。 ――年齢のいっている役柄ですし。 それもありますし、力量というものがモロに出るんじゃないかなと思ってしまって。 ――本番中になにかしら、つかめたら、と。 ええ。あとは、兄貴の演じるおかるや、みなさんとのかけあいのなかで、いろいろと稽古していきながらつかんでいきたいです。 ――そして、七之助さんが出演されるもうひとつの演目が『蜘蛛絲梓弦』。 『蜘蛛拍子舞』のほうは観たことがあったんですが、この演目は、実は僕も観たことがないんですよ。 ――珍しい演目ですよね。 亀治郎さんが昔から「やりたい、やりたい」とおっしゃっていまして。『〜拍子舞』のほうで出てくる金時役みたいな、僕、ああいう役が実は大好きなんですよ。細いから、似合うかどうかはわからないですけど(笑)。それで「やってみたいんですよねー」ってポロっと言ったら、本当にやることになっちゃったので、ちょっとビックリしているんですけど(笑)。でも、ちょっと『〜拍子舞』の金時とも違うらしいです。亀治郎さんが早替りをされるらしいので、まさに、亀治郎さんの得意分野かなと。亀治郎さんワールドですよ(笑)。お客さんも、とても華やかな気分で帰れるんじゃないかな。スカっとする踊りになると思います。 ――綺麗で華やかで、楽しそうですよね。 ええ。明るくて、お正月っぽい踊りになるんじゃないでしょうか。 |
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悪いほうでもいいほうでもいいので、お客様の心に何かを残したい。グラっと心を動かせるようなお芝居ができたらと思っています
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――浅草歌舞伎ならではのことというと、どんなことが印象にありますか。 浅草だと、浅草の町のみなさんが楽屋に来てくださったりもするんですよ。「調子は大丈夫?」とか言いながら、生姜湯を持ってきてくださったり。あとは、若いお客様が大勢いらっしゃるっていうことは、すごく思いますね。同じ年代の役者が出ているっていうのもあるでしょうし。だから、歌舞伎を観るきっかけになってくれたらうれしいなと、いつも思います。 ――浅草歌舞伎のお稽古場の雰囲気は、いつものお稽古場と違ったりしますか。 いつもより、引き締まっている感じがありますね。みなさん、自覚を持ってやっているので。甘え、ではないんですけど、歌舞伎座に出ていたりするときは、先輩方が見てくれているという安心感があるというか。もし、自分がダメなことをしたら、言ってくれる人が必ずいる。それはそれでプレッシャーだし、怖いことでもあるんですが、いいことじゃないですか。言ってくれる人がいるというのは。それが浅草だと自分たちだけで、「これでいいのかな」って自問自答しながらやっていかなきゃいけないので。ある意味、ピリピリしているときもありますよ。ホント、気合が入る稽古場ですね。 ――目標というか、ここをクリアできたらOKだっていうところは? 何かを、お客様の心に残せたらいいなと思っています。何も考えずにボーっと観られるより、たとえヘタだなって思われてもいいので、何かを感じさせたいじゃないですか。ここはちょっとヘタくそだなとか、ここはイイねえとか。悪いほうでもいいほうでもいいので、グラっと心を動かせるようなお芝居ができたらと思いますね。 ――今、行こうかどうしようかと迷われている、歌舞伎を見慣れないお客様に向けて、メッセージをいただけたらと思うのですが。 特に、浅草歌舞伎はすごく観やすい舞台だと思います。若い方なら、同じような世代の人間がこんなことやってるのかーって、軽い気持ちで観に来ていただきたい。歌舞伎を観るぞ! 勉強してから行こう! っていうんじゃなく、ブラっと、ちょっとヒマだから観てみようかというような軽いノリで来ていただけたらとてもうれしいです。歌舞伎座だとそういうノリだけでは行きにくくても、浅草歌舞伎ならそれよりちょっとはチケット代もお手ごろですからね(笑)。この機会に、ぜひ足を運んでいただけたらと思います。 |
中村七之助profile |
屋号・中村屋。十八代目中村勘三郎の次男。昭和61年9月『檻(おり)』の祭りの子で初お目見得。昭和62年1月、歌舞伎座『門出二人桃太郎』で二代目中村七之助を名のり初舞台。その後も数多くの歌舞伎舞台に出演する一方で、2003年には映画『ラスト サムライ』、2005年には『真夜中の弥次さん喜多さん』に出演するなど、多岐にわたり活躍している。 |
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新春浅草歌舞伎 上演プログラム
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