INFORMATION

【出演者変更のお知らせ】
当初予定しておりましたキャストが変更になりましたので、お知らせ申し上げます。 グレーテル役にて出演予定であったバーバラ・ボニ−がウィルス性の流感にかかり、 医師より数週間の静養を命ぜられたため、来日できなくなりました。 代役はカミラ・ティリングが務めます。
また眠りの精/露の精役にて出演予定であったジェニファー・ウェルチ=バビッジは 妊娠のため、来日できなくなりました。代役はモーリーン・マッケイが務めます。 ご迷惑をおかけいたしますことを心よりお詫び申し上げます。

[公演日・会場]

<横浜公演>
2009年7月20日(月・祝) 14:00開場 15:00開演
神奈川県民ホール 大ホール
<名古屋公演>
2009年7月29日(水) 17:30開場 18:30開演
愛知県芸術劇場 大ホール
<東京公演>
2009年7月23日(木) 17:30開場 18:30開演
東京文化会館 大ホール
<浜松公演>
2009年8月1日(土) 14:00開場 15:00開演
アクトシティ浜松 大ホール
<関西公演>
2009年7月26日(日) 14:00開場 15:00開演
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール

10周年を迎えるオペラ・プロジェクトが最高のキャストで挑む「ヘンゼルとグレーテル」!

2000年に、小澤征爾がオペラを通じて若手音楽家の育成を目的に開始した小澤征爾音楽塾。2009年からは、新基軸となるオーケストラ・プロジェクトIに続いて、日本各地でのオペラ・プロジェクトX公演の開催が決定した。これにより、今年の音楽塾に集う若者たちは、小澤が重視するカラヤンの言葉「交響曲とオペラは、音楽という車の両輪のようなもの」、その「両輪」どちらをも体験することになる――。

記念すべき10回目となる今回、取り上げる作品は、ヨーロッパではクリスマスの季節に上演されることでも知られるフンパーディンクのメルヒェン・オペラ「ヘンゼルとグレーテル」。「お菓子の家」のエピソードでも知られるドイツの童話を翻案したこの作品、原作のおとぎ話のイメージからは想像しにくいことだが、ワーグナーの影響を大きく受けた「楽劇」とさえいえる本格的な作りが特徴だ。この作品に、才能あふれる若者たちが挑戦する。

そんな「ヘンゼルとグレーテル」に挑む若者を支えるのは、世界中から集う、このプロジェクトに賛同する小澤征爾の「盟友」たち。小澤が音楽監督を務めたウィーン国立歌劇場を中心に活躍するアンゲリカ・キルヒシュラーガーをタイトル・ロールに迎え、ロザリンド・プロウライトやグラハム・クラークら実力派が脇を固めるキャストは、現在考えられる最高の布陣と言えるだろう。加えて、小澤とは数々の名舞台を作り上げ、このプロジェクトでも協力してきた演出のデイヴィッド・ニースを中心に作り上げられる舞台は、我々聴き手にも忘れられないステージを見せてくれるはずだ。

――過去から未来へ、ここでまた、大きく、重いバトンが手渡されようとしている。小澤から彼らへの最高の贈りものは、きっと彼らをさらに大きく成長させることだろう。そして小澤征爾音楽塾が目指すもの、そこにきっとクラシック音楽の「未来」が生まれるのだ。その瞬間にぜひ立ち会ってほしい!

2008年「こうもり」より

2008年「こうもり」より

フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」 Humperdinck: Hansel und Gretel

[全3幕]<原語上演/字幕付>
オリジナル・プロダクション:ザ・ダラス・オペラ

音楽監督・指揮
:小澤征爾
演出
:デイヴィッド・ニース
装置
:マイケル・イヤーガン
衣裳
:ピーター・J・ホール
照明
:高沢立生
管弦楽
:小澤征爾音楽塾オーケストラ
児童合唱
:東京少年少女合唱隊
児童合唱指揮
:長谷川久恵

主な出演者

グレーテル
:カミラ・ティリング
ヘンゼル
:アンゲリカ・キルヒシュラーガー
ゲルトルート
:ロザリンド・プロウライト
ペーター
:ウォルフガング・ホルツマイアー
魔女
:グラハム・クラーク
眠りの精/露の精
:モーリーン・マッケイ

※やむをえない事情で出演者が変更となる場合があります。予めご了承下さい。

  • アンゲリカ・キルヒシュラーガー

    アンゲリカ・キルヒシュラーガー

  • ロザリンド・プロウライト

    ロザリンド・プロウライト

  • ウォルフガング・ホルツマイアー

    ウォルフガング・ホルツマイアー

  • グラハム・クラーク

    グラハム・クラーク

物語

第1幕

舞台はドイツの深い森。貧しいほうき職人のペーターと妻のゲルトルート、ヘンゼルとグレーテルという2人の兄妹が住んでいた。ある日、兄妹は留守番中に言いつけられた仕事をせずに遊び呆けていると、急に母親が帰宅。言いつけを守らない2人に腹を立てたゲルトルートは、叱りつけようとして大切なミルク壺を割ってしまう。怒った彼女は、罰として2人を森へいちご摘みに行かせることに。そこへ仕事から戻ったペーターが事情を聞き、森には怖い魔女が住んでいると語ると、2人は慌てて子供たちを捜しに出かける……。

第2幕

今度は、母親の言いつけ通りいちごを摘んでいるヘンゼルとグレーテル。しかし、帰りの道がわからなくなった2人は、疲れて果てその場に座り込んでしまう。辺りが暗くなると、そこに眠りの精が現れ、兄妹を夢の世界へと誘い……。

第3幕

露の妖精のおかげで目を覚ましたヘンゼルとグレーテル。2人が辺りを見回すと、朝日に輝くお菓子の家が出現する。兄妹は、驚きながらも恐る恐る近づき、食べはじめる。夢中で食べ続ける2人にお菓子の家から老婆が姿をみせ、はじめは親切そうに、やがて本性を現して不気味に近づき、魔法をかけてつかまえてしまう。実はこの老婆は、子供を食べてしまう恐ろしい魔女だったのだ。ヘンゼルを檻に入れ、グレーテルには食事の準備を命令する魔女。ヘンゼルに美味しいものを食べさせ、太ったところで食べてしまおうという魂胆だったのだが……。

公演POINT

東京のオペラの森、新日本フィルハーモニー交響楽団との特別演奏会、サイトウ・キネン・フェスティバル松本、そしてウィーン国立歌劇場との凱旋公演「フィデリオ」と続いた演奏活動に加えて11月には文化勲章を受章と、2008年は充実した数々の活動で音楽ファンの耳目を一身に集めた小澤征爾。2009年は新年早々に行われた新日本フィルハーモニー交響楽団との特別演奏会ではその健在ぶりを見せ、年々充実の度を深める音楽を聴かせてくれたのは記憶に新しい。そして、オーケストラ、オペラと小澤征爾音楽塾が我々日本の聴き手にとって、小澤の芸術に触れられる次なる舞台となる。

そこで選ばれたオペラが、フンパーディンクのメルヒェン・オペラ「ヘンゼルとグレーテル」だ。童話を材とするこの作品に、小澤のこれまでの長年の活動、また音楽塾で取り上げたレパートリーからは、いささか意外に思われる方も多いかもしれない。しかし、この作品は、幻想的なストーリィにはそぐわぬほどの本格派なのだ。ワーグナー譲りのライトモティーフを駆使し、またドイツ民謡を存分に活かしたこのオペラは、ベートーヴェン、ウェーバーにはじまるドイツ・オペラの流れを受けた、十九世紀ドイツの名作の一つとしてもっと知られて良い作品。きっと今回、小澤が豪華キャスト陣とともに若き音楽家たちを導き、その真価を日本のファンに教えてくれるに違いない。

いや、今回のキャスト、スタッフを見ればさらなる期待も起ころうというものだ。単に上質の演奏、舞台が楽しめるだけではない、刺激的な舞台が見られるのでは? という。なにせ、タイトル・ロールをはじめとする豪華キャストは一流のオペラ・ハウスでもなかなか揃わないほどの顔ぶれなのだから。

その中でも特に、個人的に注目しているポイントが一つある。魔女役に「ニーベルングの指輪」のローゲやミーメを当たり役とするテノール(!)、グラハム・クラークがあてられたことだ。これまでのデイヴィッド・ニースのステージを踏まえて想像するになにやら楽しげな舞台が出てきそうな、そんな予感が抑えられない。子供向けのおとぎ話にはとどまらないであろうステージにぜひ注目してほしい。

さらにもう一つ。4月のオーケストラ・プロジェクトを聴くことができる幸運なファンには、マザーグースを元にしたバレエ音楽「マ・メール・ロワ」と、ドイツの童話を元にした「ヘンゼルとグレーテル」。フランスとドイツ、それぞれのお国柄の現れたファンタジーを聴き比べるという、ちょっと知的な楽しみも用意されているのだ。そこにベートーヴェンの交響曲第7番をあわせて考えると、この交響曲を「舞踏の聖化」と賞賛した偉大な作曲家が連想される。もしや先々、彼の作品も……と、未来へと期待が膨らむ小澤征爾音楽塾、今年も見逃せない!

文/藤原琢磨

▲このページのトップへ戻る

音楽監督・指揮:小澤征爾 Artistic Director, Conductor: Seiji Ozawa

1935年、中国のシャンヤンに生まれる。幼いころからピアノを学び、成城学園中学校を経て、桐朋学園で齋藤秀雄に師事する。1959年、ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、翌年にはバークシャー(現タングルウッド)音楽祭でクーセヴィツキー賞を受賞して注目を集める。シャルル・ミュンシュ、ヘルベルト・フォン・カラヤン、レナード・バーンスタインのもとで研鑽を積み、1973年に名門ボストン交響楽団の音楽監督に就任。アメリカのオーケストラ史上でも異例の29年という長期にわたって務める。1987年、サイトウ・キネン・オーケストラとの活動を本格的に開始し、1992年には、念願であった国際的音楽祭“サイトウ・キネン・フェスティバル松本”へと発展させる。2000年からは小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトを開始。2002年秋シーズンからウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任し、日本人として初めてニューイヤー・コンサートを指揮する。2005年から2008年まで「東京のオペラの森」の音楽監督を務める。2008年には、これまでの多大な功績が認められ、文化勲章を受章。

©Shintaro Shiratori

▲このページのトップへ戻る

演出:デイヴィッド・ニース Director: David Kneuss

メトロポリタン歌劇場のエグゼクティブ・ステージ・ディレクター。また、サンフランシスコ、ボン、アトランタ、コロンバス、フィレンツェの五月音楽祭などの舞台演出も手がける。小澤征爾とは、1980年タングルウッド音楽祭での彼が指揮するボストン交響楽団による「トスカ」以来、「ボリス・ゴドゥノフ」「フィデリオ」「オルフェオとエウリディーチェ」「ベアトリスとベネディクト」「スペードの女王」「サロメ」「イドネメオ」「ファルスタッフ」「マタイ受難曲」「道楽者のなりゆき」、2002年のサイトウ・キネン・フェスティバル松本では、ブリテン「ピーター・グライムズ」などのオペラをともに制作している。

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトでは、2000年から、モーツァルト・オペラのダ・ポンテ三部作(「フィガロの結婚」、「コジ・ファン・トゥッテ」、「ドン・ジョヴァンニ」)を、最近では「こうもり」、「カルメン」の演出も手掛けている。

▲このページのトップへ戻る

塾長・小澤征爾が次世代を担う若い音楽家たちを世界へ導く「小澤征爾音楽塾」!

「小澤征爾音楽塾」とは、恩師であるカラヤンの言葉「交響曲とオペラは、音楽という車の両輪のようなもの」を持論とする小澤が、その実践の場として、2000年に自ら塾長・音楽監督を務め、講師としてサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーを中心とする演奏家たちを迎え、オペラを通じて若い音楽家たちの育成に力を注いできた。これまでにオペラ8作品とマーラーの交響曲「復活」を取り上げるなど、若手音楽家たちには貴重な体験と、音楽家としての高い意識と知識を啓発し続けてきた。2009年からはシンフォニーを学ぶための「オーケストラ・プロジェクト」を立ち上げるとともに、その初めの年である今年は、2005年のオペラ「セビリャの理髪師」以来となる中国公演を開催する予定となっている。

▲このページのトップへ戻る