| 2012/3/7(水) | 小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXI歌劇『蝶々夫人』は、小澤征爾の体調を考慮し セミ・ステージ付きの演奏会形式で小澤征爾とピエール・ヴァレーが指揮を分担し、 3月17日(土)より神奈川、名古屋、びわ湖、東京で4公演を行う予定でした。 しかし大変残念ながら、小澤征爾の体調が指揮をするまでには回復せず上記4公演は 中止させていただくことなりました。なお教育プロジェクトとしてレッスンとリハーサル、 および3月25日(日)の鎌倉芸術館でのユー・ルー指揮による特別演奏会は予定通り行います。 >>詳細は公式サイトでご確認ください。 |
|---|
松本、ニューヨーク、スイスと“完全復活”へ精力的な活動をしているマエストロが、自分の音楽経験を後進の若手音楽家に伝えることを目的に、2000年に立ち上げた『小澤征爾音楽塾』――「交響曲とオペラは車の両輪のようなもの」恩師であるカラヤンから受継いだ、小澤征爾の持論の実践場の一つでもある、オペラ・プロジェクトが2012年3月、国内4都市で開催される。
今回は、プッチーニの作品の中では、ある種、日本人になじみの深い作品が選ばれた。
明治の長崎を舞台に、アメリカ海軍士官の夫に一途な愛を捧げる15歳の“蝶々さん”の悲しくも美しい運命を描く『蝶々夫人』。東西の文明の出会いと融合、対立を物語に、古典からフランス近代音楽の作曲家が持つ新しい旋律と劇的な音楽展開までもが散りばめられた傑作オペラ――。
この新旧多様な音楽的・文化的な価値観が同居する『蝶々夫人』を、厳しいオーディションを勝ち抜いた、次代を担うであろう、新しい音楽家たちと、小澤征爾という“パイオニア”が、合宿生活をともにして創り上げる。これぞ、音楽塾に相応しいプログラムではないだろうか。
日本が舞台の作品ゆえ、些細な部分(所作や衣装)で気になり、批判的な意見も度々聞かれるが、今作は劇団四季の浅利慶太が演出を手がけ、衣裳は森英恵と、日本人スタッフで構成されており、また、ソリストも世界を舞台に活躍している“現役”のトップ・アーティストが名を連ねるプロダクションとなっている、ぬかりはない。
塾長・小澤征爾が、パリ・オペラ座、ミラノ・スカラ座、そしてウィーンで喝采を浴びた名プログラムもよいが、“原点回帰”とも“実験”ともいえる、示唆に富んだこの“挑戦”こそ、小澤征爾がこれまで実践してきた“哲学”ではなかろうか。
プッチーニは“ジャポニズム”(ジャポニスム)の影響を受けてこの作品を創り上げたという。若い塾生たちは、この作品を通して“オザワイズム”の洗礼を浴び、緊張感に満ち溢れていながらも、質の高い、瑞々しくも美しい情熱的な演奏を手に入れ、聴かせてくれるはずだ――“世界に愛されるオザワが追求”が追求し、世界が求めた旋律を!
(文/後藤一典)
- 音楽監督・指揮/小澤征爾
- Artistic Director, Conductor: Seiji Ozawa
- ▼小澤征爾について
- 演出/浅利慶太
- Director: Keita Asari
- ▼浅利慶太について
- 装置/高田一郎
- Set Designer: Ichiro Takada
- 衣裳/森 英恵
- Costume Designer: Hanae Mori
- 照明/吉井澄雄
- Lighting Designer: Sumio Yoshii
- 管弦楽/小澤征爾音楽塾オーケストラ
- Orchestra: Seiji Ozawa Music Academy Orchestra
- 合唱/小澤征爾音楽塾合唱団
- Chorus: Seiji Ozawa Music Academy Choir
- 合唱指揮/キャサリン・チュウ
- Chorus Master: Katherine Chu
キャスト/Cast
- 蝶々夫人/アディーナ・ニテスク
- Madama Butterfly: Adina Nitescu
- ピンカートン/アレクセイ・ドルゴフ
- F.B.Pinkerton: Alexey Dolgov
- シャープレス/アンソニー・マイケルス=ムーア
- Sharpless: Anthony Michaels-Moore
- スズキ/エリザベス・デション
- Suzuki: Elizabeth Deshong
- ゴロー/デニス・ピーターソン
- Goro: Dennis Petersen
- ボンゾ/デニス・ビシュニャ
- The Bonzo: Denys Vyshnia
- ヤマドリ、神官/仲本 博貴
- Prince Yamadori/Imperial Commissioner: Hirotaka Nakamoto
- ケート/ローレン・カーナウ
- Kate Pinkerton: Lauren Curnow
- ヤクシデ/坂下 忠弘
- Yakuside: Tadahiro Sakashita
- 役人/狩野 堅一
- The Official Registrar: Kenichi Kano
- 蝶々夫人の母/小林 紗季子
- Cio-Cio San’s mother: Sakiko Kobayashi
- 蝶々夫人のおば/趙 明美
- The aunt: Myongmi Cho
- 蝶々夫人のいとこ/松田 万美江
- The cousin: Mamie Matsuda
※やむをえない事情で出演者が変更となる場合があります。
予めご了承下さい。
小澤征爾
©Shintaro_Shiratori-
浅利慶太
-
アディーナ・ニテスク
©Karen_Almond -
アレクセイ・ドルゴフ -
アンソニー・マイケルス=ムーア -
エリザベス・デション
©Larry_Lapidus
-
デニス・ピーターソン -
デニス・ビシュニャ -
仲本 博貴 -
ローレン・カーナウ
-
坂下 忠弘
©kei_uesugi -
狩野 堅一 -
小林 紗季子
©江川誠志 -
趙 明美
-
松田 万美江

1935年、中国のシャンヤン(旧奉天)生まれ。幼いころからピアノを学び、成城学園中学校を経て、桐朋学園で齋藤秀雄に指揮を学んだ。1959年秋、フランスのブザンソンで行われたオーケストラ指揮者国際コンクールで第1位を獲得。当時ボストン響の音楽監督であり、このコンクールの審査員であったシャルル・ミュンシュに翌夏タングルウッドに招かれ、そこでバークシャー・ミュージック・センターの最高位賞、優秀な学生指揮者に贈られるクーセヴィツキー賞を獲得した。 シャルル・ミュンシュ、ヘルベルト・フォン・カラヤン、レナード・バーンスタインのもとで研鑽を積み、1973年に名門ボストン交響楽団の音楽監督に就任。アメリカのオーケストラ史上でも異例の29年という長期にわたって務める。1987年、サイトウ・キネン・オーケストラとの活動を本格的に開始し、1992年には、念願であった国際的音楽祭“サイトウ・キネン・フェスティバル松本”へと発展させる。 2000年からは小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトを開始。2005年には、初の中国公演を実施する。また2009年4月には新たに小澤征爾音楽塾オーケストラ・プロジェクトを立ち上げ、2度目の中国公演を行い、大好評を博した。その他には、桂冠名誉指揮者の地位にある新日本フィルハーモニー交響楽団を定期的に活動すると共に、水戸室内管弦楽団顧問として、同管弦楽団を指揮している。2010年12月にはニューヨークのカーネギーホールで開催されて自身が芸術監督を務めたアート・フェスティバル“Japan NYC”でサイトウ・キネン・オーケストラとともにオープニングを飾った。2011年はサイトウ・キネン・フェスティバル松本でバルトーク「青ひげ公の城」4公演内、2公演を指揮した。

1953年7月、20世紀のフランスの劇作家 ジャン・ジロドゥ、ジャン・アヌイの作品を中心に上演するために劇団を旗揚げ。以降、ジロドゥの『オンディーヌ』『間奏曲』やアヌイの『アンチゴーヌ』『ひばり』などのフランス現代劇、『ハムレット』『ヴェニスの商人』などのシェイクスピア劇、ラシーヌ、モリエールといったフランス古典劇、『エクウス』『この命は誰のもの?』などの社会派作品、詩劇の延長と考えられるミュージカル等、劇団四季が上演したほぼ全作品についての演出・制作を手掛ける。その後『ジーザス・クライスト=スーパースター』『ウェストサイド物語』『コーラスライン』など数多くの海外作品の翻訳上演を行い、日本にミュージカルの基礎を築くと共に、ミュージカル『キャッツ』(1983)では1年間のロングラン公演を成功。続いて『オペラ座の怪人』、ディズニーの『美女と野獣』、『ライオンキング』といった作品を上演し、それまでの1ヵ月興行からロングラン公演へと日本演劇界の興行形態を変革した。
オリジナルミュージカルにも本格的に取り組んでおり、『夢から醒めた夢』(1987)、『ユタと不思議な仲間たち』(1989)、昭和の歴史3部作『ミュージカル李香蘭』(1991)、『ミュージカル異国の丘』(2001)、『ミュージカル南十字星』(2004)などを企画・演出した。
“小澤征爾音楽塾”は、小澤征爾が自分の音楽経験を後進の若手音楽家に伝えることを目指し、2000年に立ち上げた教育プロジェクトです。恩師カラヤンの教えである「交響曲とオペラは車の両輪のようなもの」を持論とする小澤は、まず小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトをスタートさせました。このプロジェクトではオーディションで選ばれた若手音楽家たちでオーケストラを結成。小澤塾長が信頼を置くサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーたちが各パートの指導者となり、合宿生活をしながら練習を重ね、世界一流の歌手たちと共にオペラ公演を行います。オペラは演劇と音楽が一体となった総合芸術で、豊かな感情表現が必要とされるため、若手音楽家たちは合宿練習、歌手たちとのリハーサル、公演を通して、音楽的に大きく成長します。“小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト”はこれまでに10回開催され、8つのオペラ作品とマーラーの『復活』を上演してきました。また2009年春には“小澤征爾音楽塾オーケストラ・プロジェクト”を開催し、車の両輪がそろったことで“小澤征爾音楽塾”は更なる一歩を踏み出しました。












このページのトップへ
